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榎田大樹、ヒース……“後から来た男たち”がライオンズを支えている

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/02

「仕入れ人」と「料理人」とでの共同最高料理の完成

 さて、上記の名前の挙がった投手たちは2月の宮崎・南郷A班(1軍扱い)には4人が参加していない。榎田は岡本洋介とのトレードで阪神からやってきたのが3月。今井はオフの不適切な行動のペナルティーにより、B班(2軍扱い)でユニホームを着ず、ジャージー姿でキャンプを過ごした。2軍でユニホーム着用が許されたのが5月。そしてヒース、マーティンはシーズンの途中に入団。

高知・春野B班キャンプにジャージー姿で参加の今井達也 ©中川充四郎

 春季キャンプでは、首脳陣がブルペンで投手の力をチェックしながらペナントレースの構想を描いていく。だいたいキャンプの時は、ほとんどの投手の調子が良く、「シーズンに入ったら誰を残すか悩むよ」という監督、コーチの声をよく聞く。それが、シーズン半ばになると、どのチームも投手不足に頭を抱えるのが毎年のこと。それだけに、補強は重要だ。

 もう一人、7月下旬のトレード期限ギリギリで中日からやってきた小川龍也の存在も、そんなに目立たないが貴重な戦力。変則左腕で、左打者専用のワンポイントとして期待が持てる。同じ変則タイプの左腕・野田昇吾とともに、ブルペン待機は心強い。

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 戦力補強を行うのがフロントの役割。「我々は、いい食材(選手)を提供して現場のシェフである監督にうまく料理(采配)してもらうのが仕事ですから」(フロント幹部)と言う。このままゴールに突入できたら、目利きの良い「仕入れ人」と絶妙な味加減を持つ「料理人」とでの共同最高料理の完成となる。

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