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藤田一也、今江年晶、銀次……イーグルス選手たちに聞いた野球道具への密かなこだわり

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/16

 あなたの商売道具は何ですか?

 野球選手にとって、かけがえのない商売道具、それは野球用品。今回は楽天イーグルスの野手陣に野球用品へのこだわりや思いを聞かせてもらった。

若手二人が語った野球用品へのこだわり

東北福島県出身の八百板卓丸選手&内田靖人選手 ©河内一朗

 プロ4年目、21歳の八百板卓丸選手、昨年は7月に支配下選手登録をされるとイースタン・リーグ2位の打率を残し、今年から新背番号「57」を掴んだ。走攻守三拍子そろった八百板選手は今季プロ初スタメンを果たし、先週火曜日には福岡ソフトバンク戦でスアレス投手から二塁打を放つなど、与えられた出場機会でしっかりアピールした。

 野球用品へのこだわり話を聞くと、「僕のこだわりは打つ時に手袋(バッティンググローブ)が片手だという事です。右手にしかつけない。左手の感覚を大事にしたいので、敢えて左手の手袋はしないようにしています」。

 そのきっかけを聞くと、「1年目の時に米村コーチ(現・オリックスコーチ)に教わってから、今でもずっとそうしています。そうすることで左手で押し込めるようになりました」。

 ナイトゲーム後も室内練習場でバットを振っている八百板選手。左手の感覚を意識しながらコツコツと練習を積み重ねた結果の「ヒット」を1軍でもっと見せてほしい。

 プロ5年目の22歳、松井稼頭央選手(現・埼玉西武)に頂いたグラブは宝物だと教えてくれた期待の大砲・内田靖人選手。バットへのこだわりを聞くと「去年まではシーズン途中でも色んな形のバットで打っていたんですけど、今年はバットの形は変えていないんです」と話した。昨年とは違うスタンスでシーズンに臨んで、同じバットの形でホームランを打つんだという意識で打席に入っているのが伝わってきた。

 現在ホームラン数6本。今シーズンも残りわずかだが、自身の今季の目標である「2ケタ本塁打」を是非達成してほしい。そして、近未来に東北出身の本塁打王として輝いて欲しいと期待している人は決して少なくないはずだ。

銀次が語ったバットとグラブへのこだわり

お寿司は「こはだ」に始まり「こはだ」で終わる銀次選手 ©河内一朗

 今シーズン、チームトップの安打数をマークしている銀次選手。バットのこだわりについて尋ねると、「バットは絶対に地面には寝かせて置かず、常に立てて置いています。練習中でも試合の時でも立てています。そうじゃないと何か嫌な感じがするので」とジェスチャーを交えて話してくれた。

 1本のバットへの銀次選手の敬意が存分に感じられたし、ヒットを打つバットマンのこだわりを垣間見た気がした。

 昨年、初のゴールデングラブ賞を受賞した銀次選手。グラブへのこだわりは、「試合が終わったらしっかり磨いて、夏場なら冷蔵庫に入れます。そうすれば型が崩れないし、次の日もいい形で残っていますね」と話してくれた。

 その銀次選手のグラブには、家族全員分のイニシャルが刺繍されている。銀次選手の活躍の裏側には、愛を持って接している野球用品が必ずあるのだ。