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学生生活最後の学期を「消化試合」にしてはいけない

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/19
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「来年のペナントレース」に何を残せるか

「そしてそれはプロ野球も同じ事だ(←もはやこのコラムの定番である)」。このコラムが公表された段階でオリックスの残り試合は11。この春のオープン戦は14試合だったので、これに匹敵する数の試合が残っている事になる。希望に満ちた春のオープン戦では、若手もベテランも選手たちは生き生きとプレーしていた筈である。ましてや残り少ないとはいえ公式戦。ポストシーズンのかかったチームにとっては真剣勝負が続いている。そこで試せるものがない筈が無い。

「来年のペナントレース」を見据えて何を残せるか ©iStock

 だからこそ今こそ重要なのは、個々が明確な目標を定めて残り試合を戦う事だ。勿論それは個々の選手にとっては個人成績であったり、来年のチーム構想に残れるかを巡っての戦いであったりするのだろう。そして同じ関心は、順位の大勢が決まった球場にわざわざ足を運ぶファンも持っている。来年のセカンドは誰が守るのか、サードは一体どうなるのか、先発ローテションには誰が入るのか、そしてそもそも個々の選手の来シーズンの契約はどうなるのか。「来年のペナントレース」を見据えているのはこの時期のファンもまた同じなのである。

 そしてその事は選手のみならず、監督やコーチについても言える。留任か否かを別にして、福良監督をはじめとする今シーズンのベンチが今問われているのは、彼らが「来年のペナントレース」に何を残せるか、である。若手の育成なのか、レギュラーの整備なのか、戦い方の徹底なのか、それとも何かスピリットに近いものなのか。大学教員も、監督やコーチも、年を重ねても自らの「生き様」を見せる事は出来る筈である。「今から思えばあの年の監督が福良でよかった」。来シーズン、そしてそこから更に後にそう思い返せるような、明確な意思を持った、明確なメッセージを、明確な姿で見せて欲しい、と思う。

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