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強いチームに学ぶ、オリックスがBクラスから抜け出す方法

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/25

 最近少しずつ肌寒くなってきましたね。この肌寒さを感じた時に、毎年プロ野球シーズンが終わりに近づいてきたなぁと実感します。我らがオリックス・バファローズは現在4位。3位の北海道日本ハムファイターズとは9ゲーム差(9/22現在)で、残り試合から考えると、クライマックスシリーズ進出はほぼ絶望的な状態となってしまいました。

 ということで、今回は来季以降、オリックス・バファローズが優勝するために必要だと思うことを、成績を残している他のチームから学び考えていきたいと思います。完全に野球素人の目線になりますが、野球を愛する一人の野球女子の意見として、是非最後までお付き合い下さい。

現在4位で、CS進出がほぼ絶望的な状態のオリックス

過去優勝しているチームはどのような戦略をとっているか

 まずは、ここ10年(今シーズン含む)のパ・リーグ制覇をしているチームを思い出してみたいと思います。今年は現時点で優勝が決まっていませんが、M7(9/22現在)ということで、埼玉西武ライオンズが優勝すると仮定します。

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2018年 埼玉西武ライオンズ(仮)
2017年 福岡ソフトバンクホークス
2016年 北海道日本ハムファイターズ
2015年 福岡ソフトバンクホークス
2014年 福岡ソフトバンクホークス
2013年 東北楽天イーグルス
2012年 北海道日本ハムファイターズ
2011年 福岡ソフトバンクホークス
2010年 福岡ソフトバンクホークス
2009年 北海道日本ハムファイターズ 

 まず目を引くのはソフトバンクの優勝回数でしょう。10年のうち5度のリーグ優勝。しかも、2013年を除いたすべてのシーズンでAクラス入りという素晴らし過ぎる成績です。この強さの秘訣は、ソフトバンクという会社の豊富な資金力というのが要因としてあると思いますが、やはり一番はスカウティングや育成システムがしっかりしていることではないでしょうか。

 この育成システムにおいて、私が凄いなと感じるのは、近年でいち早く正式に3軍制を導入、成功を収めていることです。3軍制を導入したことにより、ドラフトにかかる程完成はしていないけれど、今後大きく伸びる可能性がある選手を育成で数多く指名することができます。実際に、育成出身から千賀滉大選手、石川柊太選手、甲斐拓也選手、大竹耕太郎選手は1軍の舞台で活躍していますね。

 ソフトバンクの次に結果を残しているチームは日本ハムです。ダルビッシュ有選手や大谷翔平選手のような日本球界を代表するエースであったり、糸井嘉男選手や陽岱鋼選手のようなチームの中心選手、今年も増井浩俊選手や大野奨太選手が抜けたにもかかわらず、チームは低迷せず安定した成績を残しています。ではなぜ、このように安定した結果を残せるのでしょうか。それはおそらく「チーム事情に関係なくいい選手を獲得する」というスカウティングと、若手選手の輩出スピードの速さによるものが大きいと私は思います。

 まず「チーム事情に関係なくいい選手を獲得する」という点ですが、皆様ご存知の通り、日本ハムは毎年ドラフトでは競合覚悟で超目玉の選手を指名しています(もしかすると入団しないのではないかという選手も指名していますが……笑)。加えて過去のドラフトを見てみると、指名した選手は例え上位指名ではなくても、後の戦力として機能させる確率が高いチームでもあります。以前、日本ハムの育成方針について話しているのをテレビで見たんですが、例えば1年目の選手にも最低何打席立たせるというような実戦を積ませる計画があるようですね。また日本ハムはソフトバンクとは異なり、今まで育成選手の指名は行っていません。しかし1年目のような早い時期から実戦の場が多く与えられているという特徴があります。

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