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ロッテ・福浦和也が書く「2000本安打達成で思い出した、25歳春のあるできごと」

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/26
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「キミ、首位打者を獲るよ」

 そんなある日、打撃練習をしている私を打撃ケージ裏で見守る山本功児監督の元にキャンプ視察のため徳光和夫さんがお越しになりました。2人で会話をしながら私の打撃を見てくださりました。打撃練習が終わると徳光さんから「キミ、首位打者を獲るよ。今年はキミだよ」と言っていただきました。徳光さんは覚えていないでしょうし、若い自分を勇気づけるために冗談で言ったのかしれません。でも自分の中では凄くその言葉が胸に残り自信となりました。

 前年はオールスター前まで打率3割を維持しながら結果的には打率.296まで落ち込んだこともあり、絶対に3割を打つと強く意識して臨んだシーズン。結果的にまさか打率.346の数字を残し、首位打者を獲る事になるとは思ってもいませんでしたが、獲得が決まった時に一番最初に思い出したのは徳光さんにキャンプで言われた「キミ、首位打者を獲るよ」の一言でした。その言葉がなぜか2000本安打を打った日の記者会見でも思い出しました。あの時、徳光さんはどう思ってなぜ自分に声を掛けてくれたのか。今、改めて思い出すと凄いなあと思います。なにげない一言かもしれませんが42歳なった今も自分は鮮明に覚えています。

パソコンに向かう福浦和也 ©梶原紀章

 野手最年長となった今、肝に銘じたいのはこのように言葉の持つ力です。若い選手たちからアドバイスを求められたり、励ましたりすることも多くなりました。自分のちょっとしたなにげない一言が受け取る相手にとっては強く印象に残ることがあることを忘れないようにしながら生きていきたいと思います。

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 最後になりますが記録は達成しましたが、まだ自分には目標があります。それは未だ達成していない本拠地ZOZOマリンスタジアムでの胴上げです。もっともっといい場面で打って、そして若い選手たちに言葉をかけながら優勝がしたいです。マリーンズファンの詰めかける中で最高の瞬間を味わうため、これからも頑張りたいと思います。

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