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「タモリ倶楽部」にも出演した道路マニア! 国交次官が語る「セクシーな道路」

森昌文 国土交通次官インタビュー #2

2018/09/17
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「タモリ倶楽部」に出ました

――あと工学博士もお持ちなんですね。こちらも道路関係ですか?

 博士号は入省後に取ったんですが、博士論文は道路じゃなくて交通需要についてなんです。「距離程ごとにどの交通機関の分担が卓越しているのか」という研究です。つまり物を運ぶなら飛行機、船、鉄道、自動車のどれが一番得意なのか、人を運ぶならばどうなのかとか……。まあ、交通全般は好きなんです。

次官室の書棚には下水道史や貨物鉄道史の本がズラリ

――2007年には道路局企画課道路調整官のお立場で『タモリ倶楽部』に出演されました。「全国一般国道ランキング」という企画でしたよね。

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 道路マニアということで出演させていただきました(笑)。マニアかどうかはわかりませんが、ただドライブは好きですね。統計では、高速道路の平均利用距離が1日50km程度。ですが、私の場合は1日で300kmくらい平気で運転します。ぜんぜん苦にならないですね。

――そうなると、好きな道というのもあるのでしょうか。

 う~ん、どうなんだろう(笑)。ただ、これは私だけの感覚ではあるのですが、道路って“セクシー”じゃないといけないと思うんですよ。色っぽい道路というのがあって。景色がよくて、その風景の中にうまくマッチングしている道路といえば伝わりますかね(笑)。

 

――たとえばどの道路がセクシーだと感じられるのでしょう?

 具体的に言うと、福島の安達太良山や青森の八幡平の道路はセクシーだなあと思います。自然の中に溶け込んでいて、なだらかな起伏があって……。北海道にもたくさんありますけれども、そんな道路は走っていて楽しいですね。

――さすがの観点。道路マニアや土木の専門家には通じる話なんですか。

 いや、私だけだと思います(笑)。

 

国交省の職員はみんな「ブラタモリ」が好き?

――どこかタモリ的な匂いを感じます。

 ありがとうございます(笑)。私、『ブラタモリ』も好きでよく見ているんですよ。タモリさんの持っておられる切り口、観点はいいですよね。国交省に関わる人はみんなそう感じているんじゃないでしょうか。

――国交省の職員はみんな『ブラタモリ』好き?

 というか、あの番組は街づくりの歴史をテーマにしているところもありますから、私たちの仕事に関わる部分も大きいんです。インフラの老朽化による作り直しなど、歴史に学ぶことも多々あります。歴史、地形、都市計画、こうした観点をタモリさん的に見せてくださるので、大変貴重な番組だと私どもは思っております。

 

――事務次官になられて、一番変わったことは何でしょうか?

 出張することはほとんどなくなりました。やはり内側を仕切る仕事なので、部屋にいることも多いですよね。来客も多いし、資料に目を通す時間も多いし……。