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75歳と74歳、ふたりのベテラン記者がトランプ大統領を追い詰める

2018/09/10

 米中間選挙を2カ月後に控え、一冊の本の出版が注目を集めている。9月11日発売の『恐怖――トランプのホワイトハウス』、著者はボブ・ウッドワード氏(75)。1972年にワシントン・ポスト紙でウォーターゲート事件をスクープし、後に当時のニクソン大統領を辞任に追い込んだジャーナリストだ。

調査報道の元祖、ウッドワード氏 ©共同通信社

 ウッドワード氏は今回、政権側の警戒心からホワイトハウスに入ることも許可されなかったが、数百時間に及ぶ緻密な取材、一次資料や書類、日記、トランプ氏直筆のメモなどを入手し、8カ月間かけて執筆。外交問題やロシア疑惑に対し、トランプ氏がどのように対応したのか。執務室、危機管理室、専用機内でどのようなやり取りが行われていたのか。ホワイトハウスの悲惨な内実を余すことなく取り上げているという。

「恐怖」という題は、大統領就任前にウッドワード氏の取材に応じたトランプ氏が、「権力とは何か」と問われ、「真なる権力は……敢えてこの言葉を使いたくはないが『恐怖』だ」と答えたことに着想を得ている。

「トランプ氏は自分の意に沿わない内容の本が出版されると、ツイッターなどで反発し、逆に本の売り上げを後押ししてきた経緯があります。まして今回は著者の“格”が違う。側近たちは“ディープスロート”の存在やトランプ氏の対応に神経を尖らせています」(米メディア関係者)

 一方、ワシントン・ポストの同僚で、ウォーターゲート事件ではウッドワード氏とタッグを組んだカール・バーンスタイン氏(74)。実は今、“反トランプの急先鋒”CNNの報道に携わっている。

 7月下旬には「顧問弁護士だったコーエン氏がロシア疑惑の真相を握っており、ムラー特別検察官に証言する意向だ」とスクープ。この報道に対するトランプ氏の怒りは凄まじく、最近もバーンスタイン氏について「退化したバカ者」などとツイッターで“口撃”を重ね、CNN社長の解任まで呼び掛けている。

 だが、追及の手が緩む気配はない。バーンスタイン氏はロシア疑惑など相次ぐトランプ政権の不祥事について、こう言い切っている。

「ウォーターゲートより酷い」

 あの名コンビが再び“大統領の陰謀”に迫る――。