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400万円近く自腹強要で自殺……大東建託の“ブラック”な内情

横田増生が『大東建託の内幕』(三宅勝久 著)を読む

2018/09/12

400万円近くも自腹を強要され自殺した営業マン

 不首尾に終わった取引の尻ぬぐいをするのに、四百万円近くも自腹で払うよう会社から強要され自殺した営業マンの家族の沈痛な声。一億円の銀行融資の詳細が決まらないままアパートの建築を強行されそうになった地主の不審がる声。「通帳だけ見てればいい」と言われたが、十年後に突然家賃を引き下げられた家主の怨嗟の声――こうした恨みつらみの声が本書にはあふれている。

 同社に二〇一七年、労働組合ができた際には、その委員長が著者のインタビューを受けたという理由で、減給処分や譴責処分を受ける。労働者の言論の自由も認めない。本書の末尾には、こうした企業にお決まりの、名誉毀損で訴えるぞ、という配達証明が送られてきた旨が書き記してある。さもありなん、という展開だ。

 大東建託には、労働者としても、顧客としても決して近づいてはならないと確信させるに十分な内容だ。

みやけかつひさ/1965年岡山県生まれ。「山陽新聞」記者を経てフリージャーナリストに。消費者金融や自衛隊の問題などを報じてきた。『悩める自衛官』『債鬼は眠らず』『司法が凶器に変わるとき』など著書多数。

よこたますお/1965年福岡県生まれ。物流業界紙を経てフリーランスに。近著に『仁義なき宅配』『ユニクロ潜入一年』など。

大東建託の内幕 〝アパート経営商法〟の闇を追う

三宅 勝久(著)

同時代社
2018年6月18日 発売

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