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「ヘリコプター代が高すぎる」 小沢一郎氏の前に現れた思わぬ援軍

 9月30日投開票の沖縄県知事選で、自民党の二階俊博幹事長(79)が“亡霊”と戦っている――。

 二階氏は総裁選の告示直後から「総裁選より知事選」とばかりに、自公が推す佐喜真淳候補(54)の支援のため幾日も沖縄入り。300人を超す自らの沖縄後援会の幹部30人を集め、団体を回るなど熱心に動いてきた。

国会議員歴49年は現役最長 ©共同通信社

 一方、野党が推すのが自由党衆院議員の座を捨てて立候補した玉城デニー氏(58)だ。小沢一郎・自由党代表(76)の影響下にある「玉城知事」が誕生すれば、政略に長けた小沢氏が、基地問題を梃子(てこ)に安倍政権を揺さぶりかねない。幹事長としてそれを防ぎたいのは当然だが、二階氏が躍起になる理由は、それだけではない。

 二階氏はかつて小沢氏らとともに自民党の最大派閥(当時)、経世会に所属。1993年に離党すると、その後は新進党などで側近として歩みを共にしたが、喧嘩別れして自民に復党した経緯がある。今回の知事選は、かつての主との“因縁の対決”なのだ。

 だが、小沢氏の存在感は、今や亡霊のよう。玉城氏立候補で、現在自由党衆院議員は小沢氏のみ。一人では会派も組めず、衆院の議員控室も失う。また先日、小沢氏自ら沖縄入りしたが「ヘリが高過ぎる」とぼやいていた。過疎地から先に回る川上戦術が十八番だが、離島を回るヘリコプター代にも四苦八苦しているようだ。

 自公は辺野古に近い小沢氏の別荘話を盛んに攻撃するが、「かつては永田町に近い赤坂や元赤坂に億ションを所有。他にも、例えば仙台など各地に多数の不動産を所有していたが、今やその多くは売却され、残る目立った不動産は別荘ぐらい」(政治部デスク)というわけで、往時の「不動産王」ぶりを知る者からすれば、凋落の感が強い。

 ところが9月20日、そんな小沢氏に思わぬ援軍が現れた。立憲民主党の日吉雄太衆院議員が突如離党届を提出。小沢氏を尊敬する日吉氏は「小沢代表の力がまだまだ必要」と語り、自由党への入党を申請する意向だという。これを巡っては、「単なる日吉氏の暴走」との声がある一方、「玉城氏の選挙区だった衆院沖縄三区を立憲に譲る代わりに日吉氏をもらった。枝野幸男代表とは陰で合意済み」との見方も飛ぶ。本人が語らずとも、揣摩(しま)憶測が飛び交う様だけは、かつての剛腕の面目躍如か。