文春オンライン

“モデルのような美人”にしたかった「ねこ娘」――「ゲゲゲの鬼太郎」がかっこよくなった理由

#2 第6期「ゲゲゲの鬼太郎」キャラクターデザイン・総作画監督 清水空翔インタビュー

note

第6期オリジナルキャラクター・犬山まなの髪型は菅田将暉から拝借!?

 反対に、一番苦労したのが犬山まな。最初は、小川監督の指示で、ロングヘアーで髪の毛がハネてるキャラクターを作ったんです。ですが、これはフジテレビのOKが出なくてボツに。次に永富さんの意見で髪型をショートカットに変えました。ただこれではヒロインとしての存在感が薄くて、僕自身がOKを出しませんでした。

 その後、スタッフで「ゲゲゲの森」のモチーフにした屋久島に取材旅行へ行く機会があったんです。その取材旅行から帰る日の朝、テレビをつけたら俳優の菅田将暉さんが出ていて、彼がウェーブがかかった髪を後ろでひとくくりにまとめていました。それを見た小川監督が「これ、いいんじゃない?」と(笑)。

©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

 それで、菅田将暉さんのようなちょっとくせっ毛な感じの髪型をベースに、結んだ髪が正面からでも見えるように横へ位置をずらしたところ、やっと全会一致で通りました。

ADVERTISEMENT

――残りのキャラクターについてはいかがでしょう。

清水 ねずみ男に関しては、顔はこんなアホ面ですけど、男の色気のようなものが出せたらいいなと思って、腰のくびれとか体つきにセクシーな雰囲気が出るよう意識して描いています。

©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

 子泣きじじいや砂かけばばあは、なるべく原作を壊さないようにしたいという意識が強いですね。ただ、女性は女性らしく、男性は男性らしくなるようなシルエットを心がけています。

 一反もめんやぬりかべも、外見はこれまでとほとんど変わらないんですが、影の入れ方でスタイリッシュな雰囲気を出そうと意識しています。

 目玉おやじは変えようがなかったんですけど、目の中に意識してディティールを入れていますね。

©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション