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2000本安打の福浦和也に、浦和レッズから胡蝶蘭が届いた深い事情

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/10/15

 視点というものは面白いものだ。福浦和也内野手と14年の付き合いになるが、この名前の中に「浦和」という文字が隠れていることなど考えもしなかった。サッカーJリーグの浦和レッズから10月4日に同選手の2000本安打を祝う綺麗な胡蝶蘭が届いた時は勝手に千葉ロッテマリーンズの二軍本拠地が浦和にあるというご縁だと思っていた。それでも十分に粋な計らいだと感じていたが、実際はさらに奥が深い事を知った。

浦和レッズから届いた胡蝶蘭と福浦和也 ©梶原紀章

「浦和」に「福」を

「福浦和也さんの2000本安打の記事を見たときに、まず『浦和』という文字が目に飛び込んできました。我々のホームタウンである『浦和』に『福』。非常に縁起もよくご縁を感じてお花を届けたいと考えました。福浦選手にも喜んで頂いたようでうれしかったですし、ここから何かご縁を強くして行ければと思っています」とチームマネージャーの水上裕文氏。

 福浦選手が2000本安打を達成した翌日の9月23日の朝。同氏がなにげなくスポーツ紙の1面を見ていると、「浦和」という文字が目に飛び込んできたという。「はて、ウチが一面になることが昨日あったか?」。その見出しは「福 浦和 也」。福浦選手の2000本安打を報道する記事。この日、埼玉スタジアムでヴィッセル神戸戦を控えてきた中で目にした縁起の良い文字に、なにかいい事があるかもと気分よく臨んだ試合は青木拓矢、興梠慎三、武藤雄樹、長澤和輝がそれぞれ得点を挙げ4-0で快勝。さらなる縁を感じたということで花を届けたいと考え親交のある西武ライオンズを通じて我々、千葉ロッテマリーンズの方に連絡が入ったという流れだ。

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 しかし、これまで何度も福浦選手の名前は、いろいろな報道の見出しとしてしっかりと目にしてきたが一度たりとも「浦和」という文字が潜んでいることに気が付くことはなかった。人間の固定観念、思い込み、私的感覚とは面白いもので見る人が見れば、しっかりとまったく違うものが浮かび上がってくるのである。

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