昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

もうひとつのペナントレース――文春野球ベイスターズの国から2018〜敗因

文春野球コラム ペナントレース2018

 こんにちは。夢を追い掛けて38年。ベイスターズおじさんです。この原稿は文春野球横浜DeNAベイスターズの今シーズン最後の原稿です。我らが横浜DeNAベイスターズは10月10日に全日程を終えました。優勝を目指してはじまった今シーズン。一時は最下位に沈んでいたことを想えば4位という順位を健闘したと見るか、無念と見るか受け方はそれぞれにあるだろうと思います。

 そして、もうひとつのペナントレース、文春野球の横浜DeNAベイスターズも先日のCSファイナルにて東京ヤクルトスワローズに敗れたことで敗退となりました。読者の皆様には一年間あたたかい応援とHITをいただきまして誠にありがとうございました。

 

今シーズン「なぜ我々は負けたのか」

 3人しかいないチームベイスターズ。CSの連戦で肩も腰も膝もボロボロ。労ってあげたい、抱きしめてあげたい。でもしかし最後にこれだけは考えねばならないと、おじさんは思うのです。なぜ我々は、負けたのかーー。

―― 1年間お疲れ様でした。本日集まっていただいたのは、他でもありません。今一度今年の「敗因」をみなさんに語っていただこうと。

西澤千央(以下・西澤) えーーーこの期に及んで鬼だなおじさん。てか、肝心の高森監督がいませんよ

黒田創(以下・黒田):ほんとだ。高木嘉一さんのサイン頼みたかったのに。

――高森監督は本業のビジネスで香港に出張されているので国際電話で参加していただきます。

西澤:最後の最後までバラバラっすねこのチーム(笑)。なんかベイスターズっぽいけど。

高森勇旗(以下・高森):よろしくどうぞ。時間がないので、さっそくいきますね。僕が考える今季の勝てなかった要因は、やはり先発投手陣。それぞれ二ケタを計算していた石田、今永、濱口、ウィーランドが揃って結果を残せなかったこと。一方中継ぎでは砂田が獅子奮迅の頑張りを見せましたが、個人的には田中健二朗が……。

西澤:そっちの敗因かーい。

黒田:はい。強いて言えば「僕の応援が足りなかったから」ぐらいしか言えないですね。

番長ネタがなぜか築地ネタに

西澤:そんなことないよ。黒田さん、めちゃめちゃ頑張ってた。CSで監督が大ホームラン連発して、私がこれまでどうやって書いていたかわからなくなるぐらい凄い重圧を感じているなか、築地と大野雄次ネタもってくるなんて、黒田さん最高に狂ってるなと思って感動してました。

黒田:すみません。文春野球では12球団でうちのチームだけが全員プロのライターなんですよね。だから、最初「レギュラーだ」って言われた時、かなりビビりましたけど、高森監督と西澤さんがいるから、僕は自分の好きな大洋を書くって割り切っていた部分はありました。

西澤:私が去年1年間文春野球のベイスターズ担当になって、良くも悪くも変な色をつけてしまったから……。「なんか好き」か「こいつの書く記事は絶対に読みたくない」か、読者が真っ二つに分かれることをしてきてしまって、2年目への畑を全然耕せてこなかった。でも高森黒田という、私と違うプロの書き手がやってきて、ホッとした部分もありました。 めちゃめちゃ嫉妬もしたけど。

黒田:そういえば、CS前に西澤さんから「黒田さんの書いた番長の話が読みたい。コーチで復帰するし」ってLINEが来ましたね。その時「ああ、西澤さん本当に勝ちたいんだな」って思ったし、番長でいこうかなとも考えたんだけど、前日に高森さんが田代さんの話を書いたのを読んで、ああやっぱ書けないわって。築地のネタ読んで、きっと西澤さんため息ついただろけど、ほんとすんません(笑)。

西澤:黒田さん、本当に頑固! 私と高森監督が本数を計算できないタイプだから、運営はそこを正すバランサーとして起用したんだと思うけど、でもフタを開けてみたら、一番の変人だった(笑)。脅威的な記憶力と、大洋ホエールズに対する尋常じゃない執着。でもそれって私にも高森監督にもないもので。ねえ監督。

黒田:……あれ?

西澤さんの原稿は「名古屋風タイラーメン関西しょうゆ味」

――すみません。電話が切れています。続けてください。

西澤:私、黒田さんの文章が読者に届いていないのがもどかしかったんですよ。あの友達が死んじゃう話。あんなの、エモく書こうと思えばいくらでも書けるのにそうはしなかった。そういうところは、黒田さんも高森監督も同じ。“そういうの”は違うなって覚悟が見える。だからどうしても勝ってほしくて、失礼を承知で「番長書きなよ」って提案しました。でも黒田さんが書いてきたのは、まさかの大野雄次で(笑)。あーーーもーーーって、思ったけど、それが黒田さんだなぁって。

高森:すみません。ひとつ商談終わらせてきました。黒田さんはすごいですよね。ええ。

西澤:出た、高森監督のなぞの本業。 

高森:すみません。僕は文章を書くことも本業だと思っていますよ。

黒田:「も」って言いましたね。

高森:僕にとって文春野球というはじめての媒体。そして監督という大役を任されはしましたが、正直何をしたらよいのやら分からぬまま始まったシーズンでした。ただ、幸か不幸か、ベイスターズには西澤という超強力な個性を持ったライターがいましたからね。僕は超正統派に原稿を書けばそれで良いという役回りだということに気がつきました。隣に、名古屋風タイラーメン関西しょうゆ味という一風変わった味のラーメン屋があるおかげで、王道の醤油ラーメンさえ出しておけば必ずお客さんが来てくれる。それくらい肩の力を抜いて原稿を書くことができました。いろんな意味で、ありがとうございます。

西澤:それ、もはやラーメンではない。