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オリックス継投のテーマ曲「calling」はなぜファンに愛されるのか

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/10/20
note

作り手とは真逆の広がり

 しかし、しかしだ。今更ながらカミングアウトするのだが、この曲の歌詞の解釈は実は逆。2010年に誕生したこの曲が、歌詞通りのスーパースターを称えた歌な訳が無いのである。そう、誕生は2010年。歌詞に登場するようなスーパースター達に直向きに挑む等身大の野球選手、実はそんな身近なスターにエールを送った歌だったのだ。2010年頃のBsをご存知の方なら、なるほど頷いているはずだろう。

 後述すると言ったのだが、2010年当時、我々MEGASTOPPERは存続の危機に直面していた。メンバーの半数が脱退し、その後のバンド活動と音楽の方向性の転換を余儀なくされたタイミング。そんな自分達の境遇と、優勝に届かなくとも直向きに戦うBs選手達を重ねて送ったエール、それが「calling」だったのである。

 そして、そんな思いが通じたのか、4年後に森脇元監督率いるBsは優勝戦線に躍り出るまでに成長した。歌詞通りのスーパースターを擁するBs継投陣が奇しくも歌詞を真逆の方向に転換させる事になったのだ。

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 作り手の思惑と真逆の解釈、それはそれで悪くない。そんなミュージシャンの心のゆとりを作ってくれた、Bsが誇る継投陣と、そして演出担当者に、今となっては大感謝である。

ヤツの上腕 繰り出すスライダーとカーブ 英雄列伝
インに差し込む 高めの速球はフェイク剛腕降臨
的を絞れば 決め手は外角へストレートワンマイルボーラー
君の元へ届けと渾身のスウィング 蒼穹calling

流した汗思いの丈 夜毎流星は西を目指して
歓喜の声希望を告げ 響け歓声あのライトスタンド

この町には希望さす光が 夢の続き誘うこの風が
胸を焦がす熱きこの想いが 明日を目指す栄光の白球今彼方へ

打てば上段 走れば絶品のスティール 英雄列伝
腕を伸ばせば逃げ球広角へスライド 殿堂降臨
狙い定めては踏み込む闘志インハイ 3並びのスター
ヤツの胸元エグれと 敢闘のストレート
蒼穹コーリング

悔し涙明日への糧 日毎流星は西を目指して
賛美の声希望を告げ 響け歓声あのライトスタンド

calling /
MEGASTOPPER

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