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NYタイムズ、購読者数急増の理由は「トランプ大統領追及」

2018/10/17

 トランプ米大統領に、またもニューヨーク・タイムズが切り込んだ。10月2日、トランプ氏が90年代に両親の巨額脱税に関与し、父親・フレッド氏の不動産事業から4億1300万ドル(約470億円)相当の資産を受け取っていたと報じたのだ。トランプ氏の弁護士は「ひどい中傷だ」と反論したが、時効が成立しているとはいえ、税務当局も「適切な調査方法を探っている」と表明している。

ツイッターに「フェイクニュース大賞はNYタイムズ」と書き込んだトランプ大統領 ©共同通信社

「端緒は昨年4月、ある謎めいた会社からトランプ氏の兄弟に100万ドルが送金されていた点にスーザン・クレイグ記者が疑問を抱いたことでした。すると、トランプ氏が事実上のオーナーで、フレッド氏から子どもたちに現金を移すための会社だったことが判明。以降、クレイグ氏ら3人の記者が1年以上かけ、フレッド氏の会社の元従業員や元相談役らに取材を重ねてきました。ビジネスに関する10万頁以上の公開資料に加え、銀行取引明細など何万頁もの非公開資料も入手し、今回の報道に至ったのです」(米メディア関係者)

 先日も、匿名の政府高官による「私はトランプ政権内の抵抗勢力です」という寄稿を掲載し、大きな話題を呼んだNYタイムズ紙。トランプ氏から蛇蝎のように嫌われ、政権へのアクセスもままならない中、ロシア疑惑など調査報道に力を入れ続けている。

「こうした報道姿勢は読者の支持を集め、好業績にも繋がっています」(同前)

 8月に発表された今年4〜6月期決算では、営業利益が前年同期比51%増の約4000万ドル(約46億円)。トランプ政権発足以降、デジタル版有料購読者数を伸ばし続け、この四半期にも10万9000人増の290万人(全購読者数は380万人)に有料購読者数を増やしている。購読料は月15ドル(約1700円)が基本で、広告収入の減少を補う形となった。

「昨年同期比では伸びが鈍化したなどの見方から、決算後の株価は約5%下落していましたが、この脱税疑惑報道で急回復し、決算前の水準を取り戻しています」(同前)

〈All The News That's Fit To Print(印刷に値するニュースは全て掲載する)〉の文言を一面に掲げるNYタイムズ。トランプ氏を巡る調査報道の手が緩む気配はない。

出典元

徹底検証 小室圭さんアメリカ 「不法滞在」疑惑

2018年10月18日号

2018年10月11日 発売

定価420円(税込)