昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

16歳の農業アイドルが自殺当日に親友の母に吐露していた「社長に『1億円を払え』と言われた」

 愛媛県を拠点に活動する農業アイドルグループ「愛の葉Girls(えのはがーるず)」のメンバー・大本萌景(おおもと・ほのか)さん(享年16)が今年3月に自殺した件で、萌景さんが亡くなる前日から当日にかけて一緒に過ごしたという親友の母・A子さんに、10月12日の夜、「週刊文春デジタル」編集部があらためて話を聞いた。

自殺で亡くなった大本萌景さん/遺族提供

「あの時、萌景ちゃんが出していたSOS信号に気付いてあげられなかったことで、今でも自分を責めているし、後悔もしています」(A子さん)

 萌景さんは自殺する前日の3月20日の夜、親友を訪ねてA子さんの家に泊まりに来ていた。萌景さんはA子さんの自宅の外で事務所の社長と長電話をしていたという。A子さんは小誌の取材に対し、5月時点でこう話していた。

大本萌景さん/遺族提供

「萌景ちゃんが悩んでいたのは、学校のことと、社長さんのこと。それと『1億円払え』と言われたことだと思います。その夜、萌景ちゃんから聞いたのは、『謝らされた、私は何も悪いことしていないのに謝らされた』『なんで私が謝らないかんの? 本当に社長に裏切られた』という言葉でした」

 その夜、萌景さんは詳しくは理由を言わなかった。しかし、翌日、学校説明会へA子さんが萌景さんと自分の子供をマイカーで送っていく最中、車の中で萌景さんは話を始めたという。A子さんはその内容に驚き、車を停めて、話を聞いた。

「萌景ちゃんは『騙された。(アイドル活動のために費やした)2年間を返して欲しい』と言っていました。『社長に裏切られた』と言った後、社長さんに『1億円を払えと言われた』と聞きました。夜遅くに社長さんと外で話している時にそういう風に言われたというのです。車を停めて後部座席を見ると、(萌景さんは)かなり怒っていました。何度も何度も『裏切られた』と言って、『社長とちゃんと話をしないといけない』とも言っていました。

 だから『1億円って、どういうお金なんだろうね』と私が聞いたんですけど、(萌景さんは)黙って下を向いていました。私は『そんなお金なんて払わなくていいよ。お金は天下の回りものって言うやろ。せやから、そんなの気にしなくていいからね』と言ったんです。けど、その時も下を向いていましたし、また『裏切られた』と何度も何度も言っていた。その日は、学校の説明会の日だったのでよく覚えています。間違いありません。(萌景さんが)嘘をつくような状況じゃないと思います」

 これが、萌景さんが自殺した当日朝の出来事である。

記者会見をした大本萌景さんの母・幸栄さんと姉・可穂さん(中央) ©文藝春秋

 10月12日、萌景さんの遺族は、自殺は事務所による過重労働やパワハラなどが原因として、元所属事務所「hプロジェクト株式会社」の社長らに対し、慰謝料など約9200万円の損害賠償を求める訴訟を松山地裁に起こした。かたや、同社の代表取締役社長・佐々木貴浩氏は報道陣に対し、長時間労働は認める一方で、1億円についての発言などは否定している。

 週刊文春デジタルでは、萌景さんが自殺した2カ月後の5月19日、いち早く「母親が告白 農業アイドルだった大本萌景さんは、なぜ自殺しなければならなかったのか」の記事と動画を公開した。

文春リークス

あなたの目の前で起きた“事件”募集!

文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。

※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。