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2018年のスワローズ、目頭が熱くなった場面をもう一度

文春野球コラム ペナントレース2018

 2018年シーズン全日程を終えた東京ヤクルトスワローズ。クライマックスシリーズを勝ち抜くことはできませんでしたが、昨年の成績からしたら堂々たる2位で本当にいいシーズンだったなぁと心から思います。昨年の96敗から30減らして66敗ですよ。貯金9ですよ! そしてクライマックスシリーズをホーム・神宮球場で味わわせていただき、チームには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

 今季を振り返って、一番印象に残っている言葉は、小川監督ならびに首脳陣がよく口にした「最後まで諦めない! 執念を持って!」、この言葉ですね。いいときも、よくないときもありました。よくないとき、大敗を喫して悔しいときも、チームは決して沈み込むことはなかった。チームを近くで見ていてそう思います。いつもいい意味で切り替えて、明るく次の勝利のために準備をしていた印象です。

青木宣親のガッツに目頭が熱くなった

 さて、今季の戦いの中では、最後まで諦めないドラマティックな熱い試合がたくさんありましたが、前半戦で一番印象に残っているのが5月6日のカープ戦@神宮球場です。

 前日カープに大敗を喫し、なおかつ青木選手が膝に死球を受け退場。正直骨折ではなくホッとしましたが、青木選手は打撲でスタメンを外れました。リベンジに燃えるスワローズは9回に大引選手が代打ホームランで同点! 延長へ。10回表に突き放されるも、その裏には川端選手が執念の同点タイムリーで再び追いつく。そして延長11回、四球で出塁した古賀選手が坂口選手のライトへの当たりでホームイン! サヨナラ勝利だ! まさしく最後まで諦めないスワローズ野球が炸裂した試合。大いに神宮は沸き上がりました。

5月6日の広島戦、お立ち台で坂口に水を浴びせる青木(右は大引)

 このサヨナラ劇の前に目頭が熱くなるシーンがありました。神宮でアナウンスしているときはモニターがないので、この試合を家に帰ってから録画で見て知ったのですが、試合が延長に入り、だんだんと控え選手が少なくなってきたときです。チャンスを迎えカメラは一塁側ベンチを捉えます。

 そこに映っていたのはヘルメットをかぶり、バットを持って足を引きずりながら、首脳陣に「オレ行きます」とアピールをしている青木選手の姿。どう見ても青木選手は出場できるような状態ではないのに、チームのために体を張って行こうとする姿に涙しました。この行動はチーム全体を1つにした瞬間だったと思います。

 そして坂口選手がサヨナラ打ですよ! いやぁーたまりませんよ。さらに中尾投手が見事なリリーフ勝利! この後チームはちょっともたつくこともありましたが、復帰した青木選手が2番に入り投打が噛み合い交流戦の最高勝率に繋がったと思います。1番坂口選手が出て、2番青木選手で返す。初回から二人で得点する場面も多くあり、ときにはそのまま山田選手、ココ様、雄平選手とつながって、初回から大量得点する場面も。青木選手が2番に入ることでつながりができて、改めて相手からしたら恐怖を感じる打線ですよね。本当にいいラインナップだなとつくづく思います。