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どうしようもなく孤独な夜は――第3の居場所としての「スナックのススメ」

2018/11/01

「孤独礼賛」本がバカ売れし、肯定する論調が広がっている孤独だが、実は健康に甚大な悪影響を与えることは日本ではまだまだ知られていない。拙著「世界一孤独な日本のオジサン」の中で、今、海外で「現代の伝染病」として、大問題になっている孤独の負の側面について掘り下げ、その対策について詳述した。この問題提起に対する反応はおおむね三つに分かれる。(1)漠然として不安を持っており、心配している、(2)実感しているが、いまさらどうしようもない、(3)人とかかわりたくない、一人が気楽。孤独の何が悪いのか、というものだ。

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 特に、(3)の方々からは、ネットでのコメント欄などで「余計なお世話」などというお怒りのご意見をいただく。ファザコン気味の筆者は小さいころから、年上の男性の話を聞くのが大好きな「オジサンラブ」派だ。世の中のオバサンは韓流だ、羽生くんだ、趣味だ、旅行だ、と忙しく楽しそうに群れを作るが、オジサンはなんだか元気がない。もっと楽しく、笑顔のオジサンが増えたらと、ついお節介を焼いている訳だが、「ほっといてくれ」と言われると、やはり悲しい。

「一人で不安だ、寂しい」という感覚は、心身の大きなストレス

 色々な解釈がされる言葉だが、誤解のないように、改めて、「孤独」の定義について触れておこう。「孤独」とは本来、「孤児」のように、誰も頼る人、支えてくれる人がおらず、不安で寂しい、という主観的な気持ちを指す言葉だ。自分が理想とする人間関係と、現実の人間関係との間に大きな乖離がある状態、とされている。未婚であるとか、物理的に一人であるとかといったことは関係がなく、求める質と量の人間関係を築けているかどうか、ということに尽きる。だから、「一人でハッピー」という人は、そもそも上記の「孤独」という概念にはあてはまらないし、本人が満足しているのであればそれはそれで結構なことだ。

 ただ、「一人で不安だ、寂しい」という感覚そのものは、心身に大きなストレスを与え、心臓や脳、血管などあらゆる病気を招くリスクを高めるとされ、早死にする確率が50%上昇するという調査もある。短期的に不安な気持ちに耐えなければいけない場面も多々あるし、そこから学び取ることも多い。しかし、それが、数か月、1年、10年と長期化、慢性化することが大きな問題なのである。

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