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連載近田春夫の考えるヒット

“修身の教科書”にも載せたいSuperflyのNコン課題曲――近田春夫の考えるヒット

2018/11/01

『Gifts』(Superfly)/『Memoria』(GFRIEND)

絵=安斎 肇

 まったく何を考えてるのかNHKも……いやホントの話。

 おっと、唐突に失礼をばいたしやした。詳細は知らぬが、聞くところによれば子供相手の全国合唱大会みたいな催し物のサポートだか冠だかをあの放送局(で、いいかたはよろしいのよね?)がやっていて、イベント参加の中学生相手に歌えと義務付けた曲が『Gifts』であると。おおまかにはそんな認識でいいのかな?

 ま、その手の仕組みというかこの手の企画では、課題曲を設けること自体は別に珍しくもなんともない。問題は選曲である。

 といって期待もとい誤解してほしくないのだが、これから述べようとするのは、曲の出来についての不平であるとかといった“真摯なもの”ではない。いささか斜めな角度から眺めての、ネタ/与太話/屁理屈です。ので悪しからずっすっす!(笑) ヘイ。

 さて最近、この欄で、ハロプロ20周年記念楽曲歌詞の、画期的ともいえるほどに前例のない(はオーバー過ぎるけどね)暗さについて、歌い手の女の子たちの精神状態になんらかの影響をきたすことなどはないのかね? 気がかりだと書いた。ただアレはプロの歌手が仕事としてこなす性質のものなわけで、歌詞内容を真正面から受け止めて右往左往してしまうような繊細な神経の持ち主なら、そもそもがアイドルなんぞ目指すまい。おそらく彼女たち、ビクともしなかったろうというのが実際のところだと想像もするのであるが、今度は事情が違う。

 素人の、しかも年端もいかぬ子たちが――誤解を恐れずに申すならば――否応無しに歌わせられているのだ。

Gifts/Superfly(Warner)作詞:越智志帆 作曲:越智志帆・蔦谷好位置 NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)中学校の部課題曲。

 ♪あなたの生きてく意味はある 笑ってみせてよ

 といった『YEAH YEAH YEAH』に負けず劣らずの、もう茶化しでもしようものなら先生に一時間は正座を命じられてもおかしくない、『Gifts』の歌詞の“修身の教科書”に載せたいぐらいにいちいちごもっともとしかいいようのないお言葉の応酬である。子供たちは一体この空気の重さと、どう向き合って練習に励んでいったのであろうか? ついつい俺は思いを馳せてしまったのだが……くどいようだがコレは内容への言及ではない。一にかかって“アトモスフィア”。その、子供たちに及ぼすもののこと(への心配)なのである。いけね! またいい回しがオーバー過ぎてたァ。

 にしても、せっかくのコンクールだ。子供たちにとってはきっと一生の思い出に残るステージとなるに違いない。なればである。どうせなら、屈託のない笑顔の似合うような舞台を用意してやったとて、バチぁ当たるめーにNHK。

 そう思ってしまった次第だ。

 あ、今ふと閃いたんだけど、実はこれ本気で修身復活の為のお膳立てソングってことはねーの? 今の日本ならそのくらいありうる……って話はないか、いくら何でも(笑)。

Memoria/GFRIEND(キングレコード)韓流アイドルの日本ファーストシングル。楽曲提供は、Jポップ界の人気作曲家Carlos K.。

GFRIEND。

 なるほど。Kなのにどこをどう切ろうとJの音だ。聴けばその意味わかるよ、多分。
 

今週の着眼点「今度出たアイドルグループGood Tearsのシングル“Everything will be all right(タイプA盤)”に、オレの提供した“へえ、そーお?”が収録されてるから、聴いてね! 楽曲書いていたときの空気で、安倍麻生おちょくりのネタはいけると思ったんだよね」と近田春夫氏。「発売となったいま、改めて機運が盛り上がって欲しいね」