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「脅す」「ツンデレ」「自賛」トランプ大統領のTwitterを政治学者が分析すると……

フォロワー数5500万人の大統領アカウントが、社会を分断させている

2018/11/01

 大統領に就任する以前から、積極的にツイッターを活用し、自らの見解を世界中に広めていたトランプ大統領。大統領就任後もアメリカ大統領の公式アカウントである@POTUSを使わず、自らの個人アカウントである@realDonaldTrumpを使い続け、メディアをバイパスして自らの意見を発する手段として活用している。

トランプ大統領のツイートは完全に選挙モード

 通常、大統領が公の場で発言する時は何らかの調整や事実確認が行われるが、支持者集会で原稿を用意せずに演説するのと同様、ツイッターでも誰の目も通さずに好き勝手なことを書き、それがしばしば大きな波紋を呼んでいる。すでに世界中はこのトランプのツイートのパターンに慣れ、そこに書いてあることがすべてアメリカ政府の政策であるとは見なさなくなっているが、それでもトランプ大統領が何を考え、どのような判断をするのかを探るべく、世界中が常に注目している。

中間選挙の共和党候補の応援演説に駆けつけたトランプ大統領 ©getty

 とりわけ中間選挙が迫る今、トランプ大統領のツイートは完全に選挙モードである。例えば次のツイートなどはまさにトランプらしさ全開の特徴的なツイートである。

〈この選挙の争点になっているのは、我々が達成した桁外れの繁栄を継続するか、過激な民主党の群衆が鉄球をもって我々の国と経済を破壊するのを許すかだ! #群衆ではなく雇用を〉
※日本語訳は筆者による。以下同様。

社会を分断することにしか寄与していないのだが……

 トランプ大統領のツイートや思考方法の特徴は、敵を仕立て上げ、もし敵が権力を握れば自分たちの生活が悲惨になるという、恐怖を煽ることが基本となっている。

 そこにMob(荒れ狂う群衆)という言葉を使ってさらに民主党を悪党のように見立てることでその恐怖を強調し、敵に勝たせないために自分たちを勝たせて欲しいというメッセージの構成となっている。およそ建設的な議論ではなく、社会を分断することにしか寄与していないのだが、それが効果的であるとトランプ大統領が認識しているのも確かである。