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連載文春図書館 ベストセラー解剖

オリラジ・中田敦彦が海外絵本を翻訳するときにした“ある工夫”

『だいじょうぶだよ、モリス』(カール=ヨハン・エリーン 著・中田敦彦 訳)――ベストセラー解剖

2018/11/07
『だいじょうぶだよ、モリス 「こわい」と「いやだ」がなくなる絵本』(カール=ヨハン・エリーン 著/中田敦彦 訳)

 シリーズ累計120万部突破の大ベストセラー海外絵本『おやすみ、ロジャー』。その著者の最新作が好調だ。寝かしつけに特化していた前作に対して、新作は対象年齢を少し上げ、「新しい保育園に行きたくない」「クモが怖い」「ブロッコリーを食べたくない」といったさまざまな気持ちへの対処法を教える。日本語版の翻訳を手がけたのは、人気お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦。

「『武勇伝』『PERFECT HUMAN』などで知られ、プレゼンの達人としても有名な中田さんは、やはり言葉に対する感覚の鋭さが尋常ではありません。原書では男の子と明示されていた主人公を、男女どちらともとれる口調で訳し、性別を問わず共感しやすくしたのを始め、広い読者にわかりやすく届ける工夫を多々仕掛けてくださいました」(担当編集者の矢島和郎さん)

 刊行後に寄せられた反響には、思わぬものも。

「クモに名前をつけて恐怖を克服する方法は、生き物に対する優しさを教える方法にもなります。嫌っていた生き物も、名前をつけると親しみが湧いて殺せなくなる。そこから他の子への暴力を諫(いさ)めることもできたとか。親御さんに限らず、お子さん相手の客商売の方にも、本書は役立っているそうです。また、本書を参考に、大人でも自分の中の不安や恐怖を整理できます。応用範囲はまだまだ広がりそうです」(矢島さん)

2018年9月発売。初版7万部。現在3刷13万部

だいじょうぶだよ、モリス 「こわい」と「いやだ」がなくなる絵本

カール=ヨハン・エリーン(著),中田敦彦(翻訳)

飛鳥新社
2018年9月14日 発売

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