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82歳になったロバート・レッドフォードが語る「引退」と「二極化するアメリカ」――文藝春秋特選記事

文藝春秋11月号の特選記事を公開します。(初公開 2018年10月27日)

ロバート・レッドフォード

「2年前、80歳になった時にもう俳優をやめようと思ったんだが、そうすると最後の作品がジェーン・フォンダとの共演作『夜が明けるまで』(2017)になってしまうことに気がついてね。

 ジェーンとの共演は良かったんだけど、高齢者の深刻な恋愛ドラマが僕の『スワン・ソング』(最終公演)になるのはあまりに寂しすぎると思ったんだ。それで次の作品を待ってみようとした矢先に、この『ジ・オールドマン・アンド・ザ・ガン』(9月末から全米公開)のオファーが来たんだ」

 ロバート・レッドフォード(82)が「俳優引退」を宣言した。

 アメリカン・ニューシネマの傑作『明日に向って撃て!』(1969)でブレークし、ハリウッド屈指の二枚目俳優として活躍。『追憶』(1973)、『華麗なるギャツビー』(1974)、『愛と哀しみの果て』(1985)など、多くの名画に出演した。

©時事通信社

人を殺す役には絶対に出たくない

 引退作となる『ジ・オールドマン・アンド・ザ・ガン』で名優は、若き刑事に追われる70歳の老銀行強盗を演じている。

「映画の中で、僕の役は脅すためだけに空っぽの銃を携えた銀行強盗の役さ。一度たりとも発砲していないから殺人も犯していない。この銃飽和時代に老人が銃を持って人を殺す映画などには絶対に出たくないからね。21歳から俳優業を始めて60年余り、もう充分にやり尽くした気分なんだよ」

 新作のモデルはフォレスト・タッカーという実在の銀行強盗。17回、強盗をはたらき、逮捕されては脱獄を繰り返した伝説の犯罪者だ。

いい映画の3つの条件

「映画の重要なポイントは3つ、まずはこのストーリー、次にキャラクター、3番目はエモーション(感情)だ。この3つが揃うことがいい映画を作るための基本条件だ」

「映画のテクノロジーは発達したけれど、映画の基本は60年前も今もさほど変わっていない。

 今度の作品も、事実は小説より奇なりのユニークなストーリーだ。彼はどんな時も気軽に笑いながら、楽しみながら盗んでは刑務所に送られ、脱獄しては強盗を働き、そのすべてのプロセスを大いに楽しんでいる。アウトローの心弾むようなストーリーさ。これから僕はこういう映画を製作して行きたいと企んでいるんだよ」

今の政治を目の当たりにしていると憂鬱になる

 ウォーターゲート事件を描く『大統領の陰謀』(1976)にも出演したレッドフォードは、現在のアメリカについてこう語った。

「今、僕らが直面している米国の社会は暗く、環境問題もそうだが、これほど二極化が進んだら、二大政党の対立を超えた共同活動などありえないと思えてくるほどだ。今の政治を目の当たりにしていると憂鬱になるよ」

文藝春秋11月号

 ほかにもレッドフォードは、クリント・イーストウッドやポール・ニューマンとの友情、画家を目指していた青年期のこと、昨今の「MeToo」運動、これから製作したい映画の構想に至るまで、「文藝春秋」11月号で赤裸々に語っている(インタビュー・構成はジャーナリストの成田陽子氏)。

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