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連載THIS WEEK

近藤 奈香
2017/01/13

駐日大使に内定
ハガティ氏とはどんな人物なのか

source : 週刊文春 2017年1月19日号

genre : ニュース, 国際, 政治

ハガティ氏(Rogers Group IncのHPより)

 1月5日、ロイター通信は、ドナルド・トランプ新政権下の駐日大使として、ウィリアム・ハガティ氏(57)が起用される方針、と報じた。

 トランプ氏は選挙期間中、「駐日大使は、非常に重要なポジションだ。なぜなら我々は日本と交渉しなければならない。米国は、ビジネスの能力のない連中ばかり使っている」と主張してきた。

 白羽の矢が立ったハガティ氏とはどういう人物なのか。

 生粋のテネシー人であるハガティ氏は同州ヴァンダービルト大学で経済学を専攻し、成績優秀者として卒業。ボストン・コンサルティング・グループに入社し、同社勤務の最後の3年間は日本に駐在、アジアにおける欧米顧客を担当する責任者を務めた。

 2011年から14年にかけては、テネシー州の経済や産業の発展に従事。北米ニッサンなど日系企業の投資案件に携わった。ハガティ氏のチームは、150億ドルの投資を呼び込み9万人の雇用創出に成功した。

 12年の大統領選では共和党のミット・ロムニー候補の側近を務めるなど、共和党主流派とのパイプも太い。

「彼を知る人は、マルチな才能を高く評価しています。実際、その活動は官民の垣根を越え、国際コンサル、銀行業、観光業など多岐にわたります」(外信部記者)

 今回の大統領選では当初、ジェブ・ブッシュ候補を支持したが、昨年7月にトランプ氏の政権移行チームに入り、約4000人の政治任用ポストを割り振る責任者に。その際、ハガティ氏は「この仕事は実質、2兆ドルの買収案件みたいなものだ」と語っている。

 新政権では、米通商代表部のトップに抜擢されるのでは、とも噂されていた人物が駐日大使に就任する意味は?

「日米間において経済を最優先し、タフな交渉ができる人物を配したいというトランプ氏の意向でしょう。ハガティ氏は、メキシコへの海外直接投資を問題視しており、トランプ氏の保護主義的な政策に賛同しています。一方で、同氏のアジア外交や安全保障分野での知識・手腕はまったくの未知数です」(同前)

 私生活では、妻クリッシーさんとの間に4人の子供がおり、仕事のないときは、自宅のあるテネシー州で家族と過ごすという。

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