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連載すごいアート

フェルメールはなぜ、何度も作品を描き直したのか

『フェルメール展』――すごいアート

2018/11/09

 17世紀オランダの画家フェルメール。「日本で最も人気のある画家」そう言っても過言ではないだろう。その作品は世界にたった35点しか現存しない。上野の森美術館ではそのフェルメールの絵が9点集まる展覧会が開催中だ。

 中でも《牛乳を注ぐ女》は、アムステルダム国立美術館が誇る名画。台所に佇む女性がピッチャーを手にゆっくりと牛乳を注ぐ絵である。何気ない日常の場面をフェルメールは実に丹念に筆を重ね、特別な絵として描き上げた。

 X線調査から、画家は一旦描いたものを塗り消し、数カ所描き直しをしたことが判明している。彼は考えに考えこの絵を描いたのだ。優れた構図、見事な色遣い、絶妙な筆致。画面にはフェルメールの美意識と拘りが結実している。

 展覧会では「フェルメール・ルーム」と名付けた一部屋に丸ごとフェルメールのみを展示する。世界でも稀なこの機会を逃す手はない。

INFORMATION

『フェルメール展』
〜2019年2月3日 上野の森美術館/2019年2月16日〜5月12日 大阪市立美術館 0570-008-035
※東京展の入場券は日時指定制で2500円(一般)。また展示作品数は変動いたします。大阪展は日時指定なしで1800円(一般)。
https://www.vermeer.jp/