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連載テレビ健康診断

NHK『まんぷく』、理由がないのにやめられない理由とは?――青木るえか「テレビ健康診断」

『まんぷく』(NHK総合)

2018/11/12

『まんぷく』。タイトルは主人公の萬平&福子のことであり「満腹」である。二人とも「食べることが大好き」と言ってるし、番組の公式ポスターは茶碗持って笑顔。これ見よがしに食事料理場面が出てきそうなものではないか、『ごちそうさん』の時みたいに。でも食事の場面は少なく、あってもすごいサラッと流れ、カメラもあまり寄らない。重要な「屋台のラーメン」も思ったほどカメラはナメない。あえてなのか? 作戦か?

発明記念館で研究小屋の前に立つ安藤百福 ©文藝春秋

 そして私はこの主役夫婦がとくに好きなわけではない。福子の「いーやーでーす!」みたいな台詞回しや無邪気な行動は「そこまでせんでも」と思うし、夫の萬平さんはまあ……悪くはない、ぐらい。いつもなら「見るのやめる」コースだ。でも見続けている。初回から一回もかかさず。

 先が見えないのだ。安藤百福夫婦をモデルにしてるので、やがてインスタントラーメンを発明して成功することはわかっている。もちろん史実通りじゃなく、いろいろ変えた部分がある。ネタバレは誰より早く知りたいので、NHK出版のノベライズまで買ってきて(生まれて初めてだ!)、前半のほぼ詳細な流れをつかんだ。確かにその通りに放映では進んでいる。それでもなお「この先どうなるんだ?」と、朝の十五分が終わると翌朝が待ちきれない。NHKオンデマンドまで会員登録して有事に備えている有様。