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連載文春図書館 ベストセラー解剖

「金融緩和は役に立つ」 社会保障こそが経済を回す

『キミのお金はどこに消えるのか』(井上純一 著)――ベストセラー解剖

2018/11/15
『キミのお金はどこに消えるのか』(井上純一 著)

 一回り以上も年下の中国人女性との異文化結婚をコミカルに描いたベストセラー『中国嫁日記』の著者が、今度は「お金」がテーマの作品に取り組んでいる。

「描こうと思った最大のきっかけは、僕自身が実感した『金融緩和は役に立つ』という話を、もっとわかりやすい形で広める必要があると感じたからです。これを説明した活字の本はたくさんあるのですが、マンガはほとんどない。数少ない例外も、失礼ながらあまりおもしろくない(笑)。なら自分がやろう、と」(著者の井上純一さん)

 読みやすさを重視する一方、経済学者にチェックを仰ぎ、内容の厳密さにもこだわった。反響には、思わずホロリとするものも。

「医療費を始め、生活保護、子育て支援、障がい者福祉など各種の社会保障は人々に安心感を与え、経済を回すことに寄与するもの。特に今の日本はデフレに悩んでいますから、働いていようがいまいが消費活動をしてくれる人たちはとにかくプラスの存在です。『今は働けず、何も生産していないと引け目を感じていたが、消費することでも経済に参加できているとわかって、気持ちが楽になった』という声をいただいたときは、本当に描いてよかったと思いました」(井上さん)

 現在の主な読者層は、40代・50代のビジネス書読者や、10代の学生。経済学と現実社会の結びつきを考える、手頃な入り口として好まれているようだ。

2018年8月発売。初版2万部。現在5刷5万9000部

キミのお金はどこに消えるのか

井上 純一(著)

KADOKAWA
2018年8月4日 発売

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