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韓国で“カンガルー族”=就職できず両親と暮らす若者が増えている

国民の雇用状況を毎日点検してるのに…… ©共同通信社

 韓国の文在寅大統領は11月9日、金東兗・経済副首相兼企画財政相と張夏成・青瓦台政策室長を更迭した。

「日本で言えば、金氏は麻生太郎副総理兼財務相で、張氏は経済を仕切る今井尚哉首相秘書官のような立場。経済ツートップを、国会の予算審議の真っ只中に相次いで更迭するというのは極めて異例の事態です」(在ソウルジャーナリスト・朴承珉氏)

 なぜこんな事態になってしまったのか。政権発足以来、最低賃金の大幅な引き上げなど、雇用問題を最重要視してきた文氏。執務室にも「大統領が毎日(国民の)仕事先の状況を点検します」との文言を掲げているほどだ。

「文政権は、低所得層の所得が増えれば消費も増え、企業の生産、投資、雇用拡大へと繋がり、経済全体が好循環する、という“所得主導成長政策”を推進してきました。この政策の中心人物が、経済学者だった張氏です。もともと文氏とは距離がありましたが、昨年、三顧の礼で政策室長に起用しました。しかし金氏は経済成長路線で、張氏とはたびたび衝突してきた。それでも金氏は、文氏にモノが言える数少ない閣僚の1人とされてきました」(同前)

 ところが、雇用問題は一向に改善されないまま。今では20代の失業率は10%を超え、統計開始以来、最悪の数字を記録している。