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連載シネマチャート

長男の自殺で記憶を失った母に、家族がついた“優しい嘘” 「鈴木家の嘘」を採点!

シネマチャート

〈あらすじ〉

長年引きこもっていた、鈴木家の長男・浩一(加瀬亮)が、自室で首を吊りこの世を去った。発見時のショックで意識不明となった母の悠子(原日出子)は、浩一の四十九日に意識を取り戻すが、息子の死にまつわる記憶を失っていた。浩一の妹・富美(木竜麻生)は母親をこれ以上傷つけまいと、浩一がアルゼンチンで叔父(大森南朋)の赤海老に関する仕事を手伝っているという嘘をつく。同意した父・幸男(岸部一徳)や親戚らも巻き込んで、アルゼンチンから手紙を送るといったアリバイ作りが行われる。その一方で、富美は自死遺族の会合に参加し、幸男は浩一が保険金の受取人に指定した女性“イヴ”を探し始める。

〈解説〉

橋口亮輔監督や石井裕也監督の助監督を務めた野尻克己の、脚本・監督デビュー作。自身の体験をもとに、ユーモアを交えて紡ぐ、自死遺族の再生の物語。133分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆家庭を持つ人にはリアルに感じられるかも。家族1人1人の内面描写はやや想定内。何か意外なアクセントが欲しかった。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★☆☆☆堅実な手腕で厄介な主題に立ち向かっているが、なぜこんな芝居を、と思わせる瞬間がある。意匠と主張は共存が難しい。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆共感しているようで全く異なる家族の心情と時間軸の構成が残酷なほど巧妙で恐ろしい。リアルで安易に薦められない。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆引きこもりの深刻化から家族の絆を掘る渾身作。『グッバイ、レーニン!』も想起。百戦錬磨な役者陣の中で木竜麻生が新鮮。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆曖昧な魅力を放つ加瀬亮は蝙蝠と化しても趣あり。嘘の連鎖と家の呪縛という絵面も面白い。俳優の個性が作品の体幹に。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©松竹ブロードキャスティング

INFORMATION

鈴木家の嘘』(松竹ブロードキャスティング)
11月16日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座他全国ロードショー
監督:野尻克己
出演:岸部一徳、原日出子、木竜麻生、加瀬亮 ほか
http://suzukikenouso.com