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連載今夜も劇場へ

東出昌大が演じる三島由紀夫『豊饒の海』の世界

パルコ『豊饒の海』――今夜も劇場へ

2018/11/22

 三島由紀夫の『豊饒の海』が舞台化された。四部作のそれぞれを四十分程度に圧縮して順次進める手法ではない。基本的に『春の雪』を演じ、その中に『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』を組み入れている。観客は二十年位の時間を一気に往復しながら、六十年余の経過を経験することになる。

 松枝清顕(東出昌大)は幼友達の聡子(初音映莉子)を愛しているが、当初そのことに気付かない。その間、飯沼勲(宮沢氷魚)やジン・ジャン(田中美甫)の物語が展開する。清顕と聡子が鎌倉の別荘で一夜をともにする空間が勲の切腹という異質空間と同時に存在する場面は圧巻だ。

 これら全てを目撃する本多繁邦は、その年代に従って三人の役者(大鶴佐助、首藤康之、笈田ヨシ)によって演じられ、若さ、知性、円熟を象徴している。晩年の本多に付き添う久松慶子(神野三鈴)や能舞台のような装置も魅力的に出来ている。

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INFORMATION

パルコ『豊饒の海』
三島由紀夫原作、長田育恵脚本、マックス・ウェブスター演出
~12月2日、東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYA
12月8日~9日、大阪・森ノ宮ピロティホール
http://www.parco-play.com/web/play/houjou/