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ポリアモリーという生き方 浮気・不倫とは異なる「非一夫一婦制」

2019年の論点100

2018/11/27
『文藝春秋オピニオン2019年の論点100』掲載

 近年、同性パートナーシップ、選択的シングルマザー、事実婚など、家族や結婚にまつわる人間関係のあり方が多様化しつつある。ポリアモリー(polyamory)もそのような人間関係のあり方の一つである。ポリアモリーとは、オックスフォード英英辞典によれば、全ての関係者の合意のもとで、複数のパートナーと同時に性愛関係を結ぶことを指す。なお、ポリアモリーの対義語「モノガミー」は、一人だけと性愛関係を結ぶことを意味する。一度に一人だけの性愛パートナーをもつが、そのパートナーと別れて新しいパートナーをもつことで、人生全体においては複数の性愛パートナーをもつという人間関係のあり方は、シリアルモノガミー(連続単婚)と呼ばれる。

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 ポリアモリーという言葉が最初に使われたのは、1990年代のアメリカにおいてである。サンフランシスコで築かれたケリスタ共同体というコミュニティがポリアモリーの原型とされる。また、ライアム・ニアリングと、『ポリアモリー 恋愛革命』の著者デボラ・アナポールとが創設した「ラヴィング・モア」は、現在のポリアモリーのコミュニティとしては最大規模のものである。今日のアメリカには、約50万人のポリアモリー当事者がいると言われている。日本でも、ミートアップ「Tokyo Polyamory & Open Relationships Social Group」や「ポリーラウンジ」など、いくつかのポリアモリーに関する交流会が開催されている。日本におけるポリアモリー的なカップルとしては、岡本かの子と岡本一平の例がある。かの子は、婚外に恋人をもち、夫・一平の合意のもとで同居していたという。