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連載近田春夫の考えるヒット

UNISON SQUARE GARDENの声は一体どのように出してるのか――近田春夫の考えるヒット

2018/11/28

『Catch up, latency』(UNISON SQUARE GARDEN)/『GOOD and EVIL』(UVERworld)

絵=安斎肇

 先週の当欄は「この先も一層のj化進むかkpop?」とでもいうべき展開であったゆえ、入稿後に編集の若者と交わした電話でもやはりといおうか、日韓の二国間における“歌”に託すものの違い――まぁ比較文化論というほど大袈裟ではないにしろ――といったネタが雑談の大半を占める格好となった。

 そうした経緯もあり、次回は“我が国メインストリームの一翼を担うようなバンド”の新譜はどうすかねと。話は自然と転じ、若者が選んでくれたのが、UNISON SQUARE GARDENにUVERworldなのであったが、その順番でまず聴きはじめた『Catch up, latency』に、もうアレコレの次元を通り越しての衝撃! を食らってしまったこの俺なのであった。

 おっと、その前にひとこと。jとkが歌に託すものの違いの件だが――先週のおさらいにもなるが――それはわたくし“声と年齢との関係にまつわる美学”が根幹に横たわっていると考えるものである。

 前々からずーっと思っていたのは、なんで今時の日本のバンドのボーカルの男って、いくつになってもティーンエイジャー的イノセント気分に浸るのをそこまで好むのかねってか、そこまでモラトリアム好きなのかオマエらは! ってことで、俺、ハッキリいって――許されるものなら蹴り入れてぶっ飛ばしたいぐらい――イヤなのよ。ああいった「自意識に照れがない」感じが! そしてその何よりの象徴というか発露が、発声あるいは発音の仕方であるというのが、また持論でもある。

Catch up, latency/UNISON SQUARE GARDEN(トイズファクトリー)「latency」は音楽の機材用語で「遅れ」という意味だそうです。

 聴く前までは、きっとそんなj的――述べてきたような意味で――な若さに辟易(って日本語の使い方が間違ってるのぐらい分かっております)させられるのかいなと、正直そんなスタンスだったのだが、この歌声の若々しさ!(笑)ときたらもうああた……。

「尋常ではない」という表現を、決してオーバーにではなく使えるレベルなのである。いや実際問題ここまでくるともはや、可愛い子ぶるなだ若作りが過ぎるだなんだのといっている場合ではないだろう。マジ一体どのようにしたら、この声が出せるのか? 不思議なのは、聴いていてそこに何かしらの人工的な要素――たとえばエフェクター加工――の微塵も感じられぬことだ。かといって、米良美一(めらよしかず)のようなカウンターテナーでもなさそうだし。ひょっとしてかつてのC-C-Bの発声を、度を越したものにしたらこれになるのかもしれないけれど、いずれにせよこのボーカル、喋るときはどんな風になるのか? 歌声と変わらぬものなのか全くの別ものと化すのか。本気で興味が尽きない。あっ、そうだ。前にこのバンドのシングルを取り上げた時はベースの人の動きがものすごくて(動画です)、そんなことには全く気付きもしなかったことを、最後にお詫びしておく。

GOOD and EVIL/UVERworld(ソニー)今回はハリウッド映画の日本語吹替版主題歌として、映画に寄り添ったものにしたとのこと。

 UVERworld。

 こちらは、普通に大人が少年やってるケースですよね。是非、二者の聴き比べを!

今週の正直者「日曜日、夕方になると“ちびまる子ちゃん”をながら視聴していたんだけど、最近気がついたら見てなかったんだよ。それで思ったのだけど、自分で意識していた以上に、まる子ちゃんとさくらももこさんを同一視してたんだね。見ていて悲しくなっちゃうんだよ」と近田春夫氏。「“サザエさん”や“ドラえもん”ではそんなことないからね」