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日銀総裁の著書対決 白川氏の本と黒田氏の本、どっちが売れた?

2018/12/05
「実体経済は良好」と言い張る黒田総裁 ©共同通信社

 11月19日、東京都内で講演会を開いた黒田東彦日銀総裁(74)。質疑応答で珍しく色をなす場面があった。

「日本は15年間デフレが続き、中央銀行の責務である物価安定に失敗した」

 白川方明前総裁(69)が10月に上梓した著書「中央銀行」(東洋経済新報社)で、黒田氏の異次元緩和策について「物価が上がらないことが低成長の要因ではない。根本問題は急速な高齢化と人口減少だ」と批判的な見解を記したことへの反論だった。

 総裁退任後、5年半の沈黙を破って出版された白川氏の著書。800ページ近い大著で定価4860円ながら、すでに4刷を重ね、金融街・大手町周辺の書店ではベストセラーとなっている。白川氏が語ったところによれば、金融の素人だった編集担当者の指摘を踏まえ、表現も分かりやすくなったという。

 当初は「何を言っても自己弁護に聞こえる」と出版には否定的だった白川氏。だが、「中央銀行を巡る議論がもっと活発になった方がいい。そのための材料を提供したかった」と思い直したという。