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クラシック音楽で、豊かな社会を【1】

アマチュアオーケストラの音が、地域の力を呼び覚ます。

2018/12/20

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地元の販売会社も演奏会をサポート

島根トヨタ自動車 水悠司さん
島根トヨタ自動車 水悠司さん

 単に資金的支援だけでなく地域の販売店スタッフが全面的に協力体制を敷いていることもTCCの特徴。今回は島根県トヨタ販売会社が事前PRと当日の運営をサポートした。「私はTCCに関わるようになって7年目ですが、最初の年に初めてオーケストラの生演奏を聞いてその迫力に感動したんです、こんなすごいものがあったのだと。車と音楽は直接的には関係ないかもしれませんが、どちらも人生を豊かにするものですし、新しい体験をすることは自分たちにとってもお客様にとっても素晴らしいこと。TCCをきっかけに山陰フィルの方たちにショールームでミニコンサートを開いていただく機会も得ましたし、今ではTCCはなくてはならない存在です」と島根トヨタの水悠司さんは話す。

開演前には6人編成のアンサンブルのロビーコンサートが行われた。本番が始まる前から来場者は真剣に聞き入っていた。
開演前には6人編成のアンサンブルのロビーコンサートが行われた。本番が始まる前から来場者は真剣に聞き入っていた。

地元高校の吹奏楽部とも共演

 
 

 10月21日の演奏会当日は、川本町を中心に近隣の市町村からも多くの来場があり、約4000人の観客が集まった。開演1時間近く前から続々と集まり、演奏会への関心の高さがうかがえた。プログラムはスメタナの『モルダウ』や1984年のロサンゼルス五輪のテーマ曲など初心者にも聞き覚えのある曲が中心。指揮者体験コーナーが設けられるなど誰もが楽しめる演奏会となった。

 また、川本町での開催の発端となった島根中央高等学校吹奏楽部との共演も見どころとなった。参加した吹奏楽部員は高校1・2年生の総勢25名。終演直後の興奮冷めやらぬ吹奏楽部のメンバーに話を聞いた。「あまりにすごくて感無量です。オーケストラと一緒に演奏する機会は今までなかったですし、曲も迫力があって鳥肌が立ちました。音の出し方、表現の仕方、楽譜の読み方すべてが勉強になりました。卒業すると音楽との関わりがなくなってしまう人が多いのですが、今、卒業した後も音楽を続けると決めました」と決意を語る部長の上坂優菜さん。

地元の島根中央高等学校の吹奏楽部も共演。大編成のオーケストラとの共演は貴重な体験となった。
地元の島根中央高等学校の吹奏楽部も共演。大編成のオーケストラとの共演は貴重な体験となった。
島根中央高等学校 吹奏楽部部長 上坂優菜さん
島根中央高等学校 吹奏楽部部長 上坂優菜さん

 こうした演奏者の熱気は観客にも確実に伝わるのだろう。会場からは、「この小さな町でオーケストラの生演奏を聴くことができうれしく思いました。赤ちゃんおじいちゃんおばあちゃんまで幅広い年代の方が気軽に来場できることもうれしいことです」、「島根在住の方の演奏がプロにひけをとらない演奏でびっくりしました」など感動と興奮が伝わる声が多数寄せられた。

 アマチュアオーケストラの力を引き上げ、全国隅々に音楽の魅力を届けているTCC。生の音楽体験を共有し、共感し合うことはかけがえのない体験であり、地域の財産になることは間違いない。