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裁判員が「死刑囚を裁く」初のケース

「カメレオンのような姿勢について、本人は『延命は考えていない』と否定しているが、死刑執行を先延ばしにするための裁判長期化が目的に思えます。共謀したとされる人物も死亡しており、このままでは、『殺人』に関する物証がほとんどないので、無罪判決もあり得ます」(同前)

 また本件は、裁判員が「死刑囚を裁く」初めてのケースとしても注目を集めている。もし、今回の公判で有罪判決が出ても、刑法では「死刑囚に他の刑は執行しない」と定められているため、新たな確定判決が懲役刑や死刑でも執行はされない。つまり、裁判員は「執行されない判決」を出すために審理し、しかも「無罪か有罪か」の難しい判断を迫られるのだ。

「真相解明を求める被害者遺族たちがいる以上、執行されない裁判でも審理する意義はある」と捜査関係者は強調するが、裁判員は複雑な思いを抱えて審理に臨んでいることだろう。注目の判決は12月13日に予定されている。