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田中圭、佐藤健、ムロツヨシ……2018年「ドラマの顔」はこの10人だ!

2018年ドラマの顔 10人

2018/12/04

“広瀬すずの姉”を抜けた広瀬アリス

『まんぷく』のヒロイン・安藤サクラは、奥田瑛二、安藤和津の次女、柄本明、10月に亡くなった角替和枝の長男・佑の妻という芸能一家のひとりとして実力派ながら知名度はまだまだだったのが、今年、出演した是枝裕和監督『万引き家族』がカンヌ国際映画祭最高賞受賞という追い風に乗っての朝ドラヒロインで一気に脚光を浴びている。朝ドラヒロイン初のママさん女優で大阪での撮影に子どもを連れて臨んでいることも売りのひとつに。親しみのある雰囲気で、戦後から高度成長期、夫を支えてたくましく生き抜く女性のアイコンとして高齢層にも愛されそう。

『まんぷく』ヒロイン 安藤サクラ

 朝ドラとしての評判は少々おとなしめだった17年後期『わろてんか』は、広瀬アリスを“広瀬すずの姉”という認識から一気に抜けて堂々独り立ちさせた。吉本興業のミスワカナをモチーフに、三枚目の夫を尻に敷く女芸人を華やかかつかわいげも残して演じた後は引っ張りだこだ。

ミスワカナをモチーフにした役を演じた広瀬アリス

愛玩犬系の田中圭がにわかにモテモテ

 18年のメガヒットといえば『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)。会社の上司と同僚から(どちらも同性)恋される主人公の戸惑いをコミカルに描いたドラマで、主人公・はるたんを演じた田中圭とピュアな上司を演じた吉田鋼太郎が女性層から高い支持を得て、番組の公式本も15万部を超えるベストセラーに。吉田演じる黒澤のInstagram「武蔵の部屋」はフォロワーが44万5000人と、シェイクスピアを中心にした舞台系実力派がお茶の間の人気者と化した。田中圭は小栗旬、綾野剛、坂口健太郎とイケメンが多く所属する事務所の繊細な演技派中堅ポジションであったが、世話が焼ける愛玩犬男子俳優としてにわかにモテモテ。

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『おっさんずラブ』に出演 吉田鋼太郎

“喜劇役者”ムロツヨシの台頭

 最近のブーム、もうひとつはバイプレイヤー。ドラマ『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)をきっかけに、長年、映画やドラマの脇をしっかり支えてきた演技も個性も熟成された手練のおじさん俳優が受けている。今年急逝した大杉漣をはじめとして遠藤憲一、松重豊などがいるが、今、彼らよりもひとまわり若い人気バイプレイヤー予備軍が頭角を現しはじめている。代表格はムロツヨシ。『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)で戸田恵梨香の恋の相手役に抜擢された。

“喜劇役者”ムロツヨシ

『勇者ヨシヒコと魔王の城』や『銀魂』などの福田雄一監督作でユーモアを振りまく“喜劇役者”(自分でそう名乗っている)が恋愛ドラマの相手役をやるというサプライズは、朝ドラ俳優一強のようにすらなっている18年の俳優戦線に、終盤ようやく刺激を与えてくれたといえるだろう。だがしかし所属事務所のプロフィール写真を見るとイケメンふうで、喜劇役者はあくまでキャラなのではないかという疑惑がもたげてくる。