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「そんなもん、たいしたお金じゃないですよ」大阪万博を推した人たちの「9つの珍言」

いつの間に「日本の最重要プロジェクト」に

2018/12/01

 11月24日、フランス・パリで開催された博覧会国際事務局(BIE)総会で、2025年の万博開催地が大阪に決定した。大阪では55年ぶりの開催となる。なぜ今、万博なのか? 誰のための万博なのか? 関係者の発言をまとめてみた。

松井一郎 大阪府知事
「風呂敷を広げすぎるぐらい広げてきたので、日本の総力を挙げていただかなければ実現不可能だ」

毎日新聞 11月27日

2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決まり、記者の質問に答える松井一郎大阪府知事(中央) ©時事通信社

 27日、大阪府の松井一郎知事は首相官邸を訪れ、大阪万博に関する関係省庁連絡会議に出席。席上でこのように語った。「日本の総力」を挙げないと「実現不可能」なイベントを提案してきたのか。

いつの間に「日本の最重要プロジェクト」に

 会議に出席した野上浩太郎官房副長官は「オールジャパン全力の誘致活動が実った。ここからが本番だ。関係省庁は連携しベストを尽くしてほしい」と指示。誘致委員会会長の榊原定征・経団連名誉会長は「(万博は)日本の最重要プロジェクト」と述べた(毎日新聞 11月27日)。いつの間にか「オールジャパン」で「日本の最重要プロジェクト」になっていた。

2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決まり、喜ぶ(右2人目から)松井一郎大阪府知事、誘致委員会長の榊原定征経団連前会長、世耕弘成経済産業相ら ©時事通信社

 大阪万博は会場整備に1200億円から1300億円を投じる計画。それとは別に、運営費に800億円、地下鉄延伸や橋の拡張などの関連事業にも700億円超が見込まれている。会場整備費は国と府・市、民間が3分の1ずつ負担すると取り決めているが、民間の負担とした400億円は具体的な配分計画ができておらず、資金確保の実効性は不透明だ。最大のライバルと目されていたフランス・パリは財政負担の重さから途中辞退している。また、招致段階で約7000億円と見積もられていた経費が3兆円にまで膨らんだ東京五輪のようなケースもあり、今後どのように「風呂敷」がたたまれるのかが不安視されている。

 なお、試算によると、大阪万博の想定来場者数は約2800万人、経済効果は約2兆円とされているが、想定来場者数を下回ると赤字の可能性が出てくるという。

松井一郎 大阪府知事
2兆円の経済波及効果を実現するための必要経費だ」
毎日新聞 11月20日

 大阪万博の誘致費用は、これまで約36億円に上っていたことが毎日新聞の取材によってわかった。行政が負担したのは、国(経済産業省、外務省)の約26億円と大阪府・市の約4億円。なお、この金額に人件費は含まれていない。大阪府、大阪市以外の税金がすでにこれだけ投入されてきたということだ。

 それとは別に、万博が実現した場合は途上国など約100カ国に約240億円を支援する計画も公表して各国の支持を集めた(朝日新聞デジタル 11月25日)。これも、もちろん「必要経費」だ。