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「17億付けまわし」問題 日産ゴーンと政井日銀審議委員「緊迫の60分」

 東京地検特捜部に金融商品取引法違反の疑いで逮捕された日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)。役員報酬を有価証券報告書に約50億円分少なく記載した疑いのほか、私的な投資で生じた損失を2008年頃、日産に付けまわそうとしていた疑いも浮上している。

「違法なことはしていない」と徹底否認 ©文藝春秋

 ゴーン容疑者は2006年頃、自身の資産管理会社と新生銀行との間でデリバティブ取引の契約を結んだものの、2008年秋のリーマン・ショックで約17億円の損失が発生し、担保不足に陥ったという。

「新生銀行は担保の追加を求めたところ、ゴーン氏は損失も含めて日産側に権利を移そうとしました」(新生銀行元幹部)

 そこで動いた一人が、当時、新生銀行のキャピタルマーケッツ部部長だった政井貴子・現日銀審議委員(53)だったことは、小誌既報の通りだが、今回新たに損失の処理を巡り、ゴーン氏と直接交渉していたことが分かった。

異例の抜擢で日銀審議委員に ©共同通信社

 政井氏は同僚のウェルスマネージメント部営業部長、コンプライアンス担当部長と3人で、当時東銀座にあった日産自動車本社を訪ね、ゴーン氏との協議に臨んだ。

 そして、政井氏らはゴーン氏にこう伝えたという。

「日産に契約主体を変更するには取締役会の議決が必要です。御社の法務部長は優秀な方だから確認してみてはどうでしょうか」

 緊迫したやり取りは約60分間に及んだのだった。

「政井氏はその後、執行役員にまで上り詰め、2016年6月、日本銀行政策委員会審議委員に就任しました。政井氏をはじめ6人いる審議委員は、総裁、2人の副総裁とともに日銀の政策委員会を構成しています。金利など日本の金融政策を舵取りする最高意思決定機関の一員で、会社で言えば、取締役にあたる重要ポストです」(日銀担当記者)

 日銀にも波及したゴーン氏の私的流用問題。日産自動車は「捜査中につきコメントは差し控えます」、日本銀行は「2008年当時、新生銀行のキャピタルマーケッツ部部長の職にあったことは事実ですが、守秘義務の観点から、新生銀行における個別の取引に関するご質問については、事実関係も含め、お答えは差し控えさせていただきます」、新生銀行は「個別事案に関するお問い合わせにつきましては、ご回答はいたしかねます」と回答した。

 12月6日(木)発売の「週刊文春」では、ゴーン氏の17億円損失付けまわし疑惑の経緯や、政井氏らの要請にゴーン氏は何と答えたのか、背任容疑も視野に入れる特捜部の捜査状況などについて詳報している。

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