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トランプが嬉々として吹聴「日本がすごい量の防衛装備品を買ってくれる」

2018/12/11

 いつかどこかに大きなシワ寄せがくるのではないか。

 そんな不安が安倍政権にはつきまとう。1つは蔑ろにされ続ける財政健全化であり、もう1つがアメリカからの兵器“爆買い”である。

「巨額の貿易赤字は嫌だ」とシンゾーに言うと、「日本がすごい量の防衛装備品を買ってくれることになった」――。

 9月26日に行われた日米首脳会談の後、トランプ大統領が嬉々として吹聴したこのセリフに、日本国内の防衛・及び防衛産業関係者は大いに落胆したことだろう。

山下貴裕氏 ©文藝春秋

アメリカが「売りたい兵器」を買うことになる

 それぞれに思惑は違う。

 防衛関係者にしてみれば、「買いたい装備」ではなく、アメリカが「売りたい兵器」を買うことになることが目に見えているからだ。

 一方の防衛産業関係者にしてみれば、ただでさえ小さくうま味のないパイが縮小される未来が見えるからだ。

5年前の約6倍に

 そんななか「東京新聞」は11月29日付紙面のトップで〈防衛省 支払い延期要請〉と報じた。サブタイトルには、〈米兵器ローン急増 来年度予算圧迫〉とある。

 要するに、防衛装備品代金の支払いを2年から4年延期してほしいと防衛省が国内業者に要請したという趣旨の記事だ。延期要請の理由は、〈高額な米国製兵器の輸入拡大で「後年度負担」と呼ばれる兵器ローンの支払いが急増〉したことだという。

「ドナルド」、「シンゾー」と呼び合う仲を維持するため兵器を“爆買い”していることは何となくわかってはいても、それが5年前と比べて約6倍(対外有償軍事援助のローン残高)にもなっているとは驚きである。

トランプが売るF-35戦闘機 ©DPA/共同通信イメージズ

 日本の安全保障が日米同盟の上に成り立っていることを考慮すれば、それも仕方のないことだが、いよいよ国内防衛産業への支払いを延期となれば新たなレベルでの対米依存に突入することを意味する。

 はたして日本の政治家や専門家に、その意識はあるのだろうか。