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藤浪晋太郎が抱く危機感 野球教室で子どもたちに伝えたかったこと

文春野球コラム ウィンターリーグ2019

2019/01/13

少年時代にKKコンビからもらったプレゼント

 藤浪には忘れがたき“成功体験”がある。小学4年だった2004年12月に大阪ドームで開催された「プロ野球昭和42年会」の野球教室に参加したという。昭和42年会を言い換えればKK世代。清原和博、桑田真澄、佐々木主浩らが間近にいた。「本当は6年生が行くやつなんですけど、6年生が大会に行っていて、たまたま自分が行けて。皆さんが甲子園から持ち帰った砂をビンに詰めてもらったり。すごい嬉しかったですし」。会の最後には、選手たちが高校生の時に持ち帰った甲子園の土をプレゼントされたといい、当時のスポニチの記事によれば、清原が「この中から甲子園に出てプロ野球選手になって、その時に野球教室のことを覚えていてくれたら最高」と呼びかけていた。

 甲子園で春夏連覇し、ドラフト1位でプロ入りした男はあまりに出来すぎだが、自身が目を輝かせ、心躍らせた体験を“還元”したい思いが根底にある。だから、藤浪の言葉には「自分もこういう野球を楽しめる時期があった。野球って楽しいもんやろ、って小学校から中学校で野球を続けてもらえるように1人でもなれば良いと思う」と純度100%、混じりっ気なしの「野球愛」が溢れる。

「自分が活躍したら、テレビで見てくれているでしょうし“藤浪選手が!”と思ってくれるし、頑張らないといけないなと思います」。かつての藤浪少年がKKコンビにもらった「聖地の砂」のような“夢のバトン”を静かに少年、少女に託していっている。

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次は自分が夢を与える番 ©スポーツニッポン

遠藤礼(スポーツニッポン)

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