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【イベントレポート】パーパスの浸透と行動変容~企業と組織、そして個人が“言葉”でつながるパーパス経営の実践知~

  

■開催趣旨

経済産業省が2020年12月にまとめた「DXレポート2」では、次のような言及がなされた。「デジタルの活用はあくまでも“手段”であり、“目的”は新しい価値を創造していくこと、そしてそれを実現するためには企業文化そのものを変革し、変化に強い組織・風土を作ることが重要である」と。

こうした指摘を背景に、企業経営者は、新しい価値を創造し、あるべき姿を実現するためには何が必要なのか、また、企業文化そのものを変えていくために『パーパス』という概念を通じて何を表明していくことが正しいのか。経営者は課題解決の本質にしっかりと向き合い、将来を構想していくべくチャレンジを加速している。

「私たちは何のために存在し、何のために働くのか?」

働き方やキャリアに関する価値観が多様化していく中、強い組織を創るためには、ワークライフバランスや自己実現に加え、企業の想い(パーパス)と個人の想い(パーパス)を合致させ、働くモチベーションや幸福度を高めていくことが不可欠となっている。

本カンファレンスでは、「パーパスの浸透と行動変容」をテーマに、不確実な時代に持続的な経営の基盤を築くために必要なことについて、企業と組織、そして個人がつながるパーパス経営の実践知の視点から考察した。


■基調講演

パーパス経営の原点、社会課題の解決とイノベーション
~ ネスレ日本 パーパスの浸透と行動変容の実践知 ~

  

 

元ネスレ日本 代表取締役社長

ケイ アンド カンパニー株式会社 代表取締役社長

高岡 浩三氏

1960年3月30日 大阪府生まれ。83年ネスレ日本(株)入社。各種ブランドマネージャー等を経て、ネスレコンフェクショナリー(株)マーケティング本部長として「キットカット受験応援キャンペーン」を手がける。2005年ネスレコンフェクショナリー(株)代表取締役社長に就任。10年ネスレ日本代表取締役副社長飲料事業本部長として新しい「ネスカフェ」ビジネスモデルを構築。同年11月より20年3月までネスレ日本(株)代表取締役社長兼CEO。10年間の在任中に、ネスレ日本をネスレグループの先進国マーケットで最も成長率と利益率の高い会社に育て上げる。14年、自身が手がけた「ネスカフェアンバサダー」が第6回日本マーケティング大賞を受賞。14年よりワールド・マーケティング・サミット・ジャパンカウンシル代表。同年「The Internationalist」による「37 OUTSTANDING MARKETERS NAMED INTERNATIONALISTS」に選出。16年コトラービジネスプログラムプレジデント就任。17年11月より早稲田大学ビジネススクール国際諮問委員。17年5月よりケイアンドカンパニー(株)代表取締役としてDXを通じたイノベーション創出のプロデューサーとして活躍。ネスレ退任後、サイバーエージェントやFood&Life Companyなど数社のマネジメントアドバイザーと社外取締役を務めるとともに、自ら「高岡イノベーション道場」というイノベーション創出に特化したスクールを主宰する。

1866年創業の、世界最大の食品企業がネスレ。そのパーパス(存在意義)は、「生活の質を高め、さらに健康な未来作りに貢献します」である。以下の3つの柱、テーマも併せて掲げる。

個人と家族のため、さらに健康で幸福な生活を実現します
コミュニティのため、困難に負けない、活力のあるコミュニティを育成します
地球のため、未来の世代のために資源を守ります

2005年にピーター・ブラベック氏(当時ネスレ会長兼CEO)が提唱した「共通価値の創造(CSV=Creative Shared Value)とは以下のこと。
ネスレは、株主の皆さまと社会全体のために価値を創造することが、企業としての長期的な成功につながると考えています。共通価値の創造(CSV)と呼ばれるこのアプローチが、ネスレの事業活動そのものです

パーパスもCSVも、そもそもネスレの競争戦略の一環として誕生した。どの分野で、誰のために、どのような理由で投資をしながら新しい価値を作って行くか?⇒イノベーションに繋げるか、をネスレは長期にわたり考え、CSVやパーパスを打ち出してきた。ブラベック氏は「世界・社会的な問題を解決すること自体もイノベーションに関わってくる、だから共通価値の創造という概念が必要」と考え、CSVを知人で競争戦略論の第一人者、マイケル・ポーター教授に託し、お墨付きを得て(ポーター氏と共に)広めた。

その後約10年を経て、CSVの考え方のもとに企業が社会的な問題を解決していくのであれば目標があって然るべき、ということでSDGS(持続可能な開発目標)が2015年9月の国連サミットで採択された。実は、SDGSもパーパスも、競争戦略としてとらえていかないと本末転倒になる。いずれも慈善事業ではないのだ。

例えば、世界の過剰栄養と低栄養の問題。ネスレは、先進国向けでは製品に含まれる糖類、食塩、飽和脂肪酸のさらなる低減を行う一方、発展途上国向け製品では微量栄養素の強化を通じて低栄養の問題に取り組む。コーヒーやカカオの仕入れや栽培にあたっては、農村開発援助と貧困緩和に配慮している。もちろん、飢饉や不作の際は最優先で豆を仕入れられるように契約をしてもいる。

ネスレ日本は、ブラベック氏の命もあって、高齢化と人口減少により縮小しつつある先進国市場における持続的な利益成長モデルを確立する先導者の役割を担った。そのためには新しいマーケティングとイノベーションが必要だ。そこで、私はフィリップ・コトラー教授と共に『21st Century Marketing』を著し、教授のお墨付きを得て「マーケティング=顧客の問題解決による市場の付加価値創造活動」、と定義。すでに認識されている問題はリノベーションで解決し、非認識問題はイノベーションに挑戦し解決することを目指した。

  

 

例えば、団扇⇒扇風機、扇風機⇒エアコンの進化はイノベーションである。扇風機の首振り機能やエアコンの除塵・空気清浄機能はリノベーションだ。イノベーションが起こると、その後連続的にリノベーションは起こる。ただし、市場調査ではリノベーションは起こせるが、イノベーションを起こすことはできない

産業革命を引き起こしたのは新しいエネルギーや技術の出現であった。それにより、今までは諦めていたような、思いもつかなかったような変革が起きた。では、顧客が諦めていたような問題をどのように発見していったらいいのか? 

マーケティングは顧客の問題解決のプロセスである。私が考える「New Reality Problem Solution(NRPS) method」を紹介する。顧客は誰?(を考える)⇒(誰もが知っている)新しい現実(をしっかり見る)⇒顧客が抱える問題(が見えてくる)⇒解決策(を考えることでイノベーションが生まれる)、というステップだ。

新しい現実とは、例えば地球温暖化やプラスチック海洋汚染、地球砂漠化、貧困と富の二極分化だ。そこにはどういう問題あるのかつきつめて考えていくことが、解決策、イノベーションにつながる。

日本市場へのネスレグループのCSV導入とローカライゼーションとしては、「キットカット」の外袋を地球のためにプラスチックから紙パッケージに変更した例がある。あくまで競争戦略なので値上げはできない。コスト上昇分吸収のためにサイズを小さくし内容量も減らした。また、「きっと勝つ」「きっと願いかなう」にかけて、紙パッケージで作る折り鶴をビジュアル訴求して付加価値をつけて出したところ、実質値上げにも関わらず売上、利益率とも上昇した。

「NESCAFEアンバサダー」も、昨今の日本のコーヒー消費についてNRPS分析した結果のソリューションである。新しい現実(核家族化による家族の団欒の減少、会社の福利厚生としての飲料提供廃止など)⇒顧客が抱える問題(家庭内では一杯ずつコーヒーを飲みたい、職場のコミュニケーションの希薄化など)⇒ソリューション一杯ひとりのコーヒーシステム。大ヒットし、安売り競争からの脱出、シェアと利益率の大幅向上につながり、地方では高齢者の孤独解消や、地域コミュニティの減少という社会問題の解決策にもなっている。

社内でイノベーションカルチャーを育てるために11年から「イノベーションアワード」も実施した。スタートアップ企業のカルチャーを導入したのだ。初年はわずか79件の応募だったが、評価制度に組み入れたこともあり18年には5085件にまでなった。アイデアが正しいかどうかの検証まで徹底的に行い、一等賞は実際に事業化する。世界レベルの新規事業として成功した事例も出ている。

◎ネスレ日本のパーパス経営

・企業の存在意義を明確にすることで、ステイクホルダー全ての価値創造(CSV)を実現しやすくする。
・CSVをイノベーションに繋げるべく、社員全員にイノベーションアワードを創設。
・終身雇用の終わりという新しい現実から、社員も個人のパーパス(存在意義)を持つ時代。個人のパーパスと自身が身を置く場所(企業や役所・NPOなど)のパーパスが一致しているかが、働き甲斐に直結する。

 

 

 今まで述べてきた各施策などにより、ネスレ日本の営業利益率はそれまでの12%台から、食品業界としてはかなり高い約25%に上昇。アップルに見劣りしない高利益率の企業に発展した。

日本企業には一括採用や終身雇用などの慣習があったこともあり、日本人はパーパスを明確に持たずに社会に出ている例が多い。海外ではそうではない。私は、ネスレ日本の社員全員に「自分自身の存在意義を再度考えて欲しい。本当にネスレに居ていいのか、ネスレとあなたのパーパスが一致しないのであれば辞めてほしい」と伝えた。会社にとっても本人にとってもパーパスが合っていないのは不幸なことだから。いま振り返ると、ネスレ日本の中で早期にパーパスを浸透させるよい契機になったと考える。

  

 

本社の考えている戦略や方針が海外の市場でそのまますぐに機能するわけではない。それぞれの市場・海外法人に社長がいて、各市場に世界戦略をどう落とし込むかを熟慮する。それができて初めて一流の経営者なのだ。私は日本法人において、本国とは少し違うパーパスのあり方を考え、浸透させた。


■課題解決講演

パーパス・ミッション・ビジョン・バリューの考え方と浸透
~ 組織と個人をつなぎ事業の成果を高めるために

  

 

株式会社SmartHR

プロダクトマーケティングマネージャー

埜村 勇斗氏

大学院卒業後、デロイトトーマツグループやHR系のコンサルティング会社にて組織人事コンサルティングに従事。その後HR系スタートアップの経営に参画。2020年にSmartHRに入社し、主に人事データや人材の活用に関する機能の企画や仕組みづくりを行う。

◎パーパス・ミッション・ビジョン・バリューの定義とメリット

(1) パーパス:存在意義 なぜうちの会社が存在するのか(Whyを示す言葉)
(2) ミッション:使命 何をするのか・何に命を使うのか(Whatを示す言葉)
(3) ビジョン:映像 目指す姿・ミッションを実現した先の世界観
(4) バリュー:価値観 パーパス・ミッション・ビジョンを実現する際に大事にしたい考え方や行動

(1)~(4)は定義を頑なに反映せずとも、企業や人に応じた解釈を入れて定義しなおしても良い。SmartHRの場合、パーパスと銘打って掲出はしていないが(1)に当たるものとして「Employee First 全ての人が、信頼し合い、気持ちよく働くために。」(2)は、ミッションとして「労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。(3)はミッションとして、「well-working 誰もが心地よく、健康に、そして幸せに働ける社会。」(4)は、バリューとして「早いほうがカッコイイ/一語一句に手間ひまかける/人が欲しいと思うものをつくろう」、といった解釈になっている。

人材獲得競争が激化する中、企業を差別化しやすい魅力は「目標」と「組織」。会社の理念・行動指針や事業戦略等会社の方向性・目標と、組織全体の雰囲気や組織に所属する個人の魅力、だ。活動や待遇で差別化するのはやや難易度が高い。また、転職時に経営理念への共感が重視される、というアンケート結果もある。

パーパス・ミッション・ビジョン・バリューを策定するメリットについて。バリューは企業の目的の達成方法を規定する。ミッションは永久的、ビジョンは中長期的だがバリューは定期的に見直しが必要だ。

  

 

また、事業・素組織・従業員個人視点でのメリットは、
事業/共通のゴールやお客様への価値を定義できる⇒グループや部門間でシナジーが生まれる
組織/会社としての判断軸や良い行動が明確になる⇒マネジメントをする際の説明コストが下がる。現場の意思決定が適切になる
従業員個人/会社の存在意義や使命が働く理由になる⇒目標や将来のビジョンがない人のモチベーションの源泉になる
以上が挙げられる。

◎パーパス・ミッション・ビジョン・バリューを決めるポイント

米国のアウトドア衣料メーカー、パタゴニアは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」をミッションにしている。「最上位の概念=パーパスやミッションでは、How(どのように)より、端的で覚えやすく短い言葉で「Why(何のために)」を語ると浸透スピードが早い」という旨を同社の前日本支社長は語っている。

事業の価値の源泉によってバリューの内容を考えることも重要だ。バリューは商品・仕組みなのか、個人力なのか。自社の事業にとって何がインパクトを与えられるのか、を考えたい。また、経営戦略と人事戦略の紐付けも意識したい。

◎パーパス・ミッション・ビジョン・バリュー浸透のコツ

「浸透」で目指すのは事業成果と従業員の働きがいの両方である。従業員がパーパス・ミッション・ビジョン・バリューに沿った行動をしていること、それによって従業員が活力高く働いていることが重要だ。

そのためには日々の業務やコミュニケーションの中心にすることが肝要。経営陣やマネージャー自らが体現し、日々パーパス・ミッション・ビジョン・バリューの言葉を使うこと、言行一致のマネジメントを行うことだ。

  

 

組織の実行力は、結節点になるマネージャーで決まる。部下への伝導率を上げることで戦略の実行力が高まる。また、人事評価と結びつけるのも有用。評価項目にパーパス・ミッション・ビジョン・バリュー関連の項目を入れる。SmartHRでは、それに相当する「価値観マッチ」という項目がある。浸透促進のため、等級が低いほど=入社年次が浅いほど価値観マッチ(バリューの体現)の係数は高くなっている。

バリューの評価には、具体的な良い行動と悪い行動を明記する。また、会社への共感が弱い人材は成果を出していてもパフォーマンスの高さゆえに悪影響も大きいため、マネージャーには昇格させない。共感が強く成果を出している人材を昇格推奨し、共感が強いが成果が出ていない人材は育成対象とするべき。

パーパス・ミッション・ビジョン・バリューの外部への発信や、定量情報で浸透に向けたPDCAを回すことも重要だ。事業におけるP/Lのように組織の定量指標を設け、経験・勘・度胸からの脱出も行いたい。

人的資本経営を行うための3つの「視点」は
経営戦略と人材戦略の連動
As is-To beギャップ(現状と理想の差)の定量把握
企業文化への定着(人材戦略の実行プロセスを通じた企業文化の醸成)

SmartHRは、必要なデータが自然と集まる仕組みにより、「人事データをいつでも活用できる」状態を作り出せる。労務管理/人事データベース/人材マネジメントの機能を兼ね備え、規模を問わず多くの企業で利用されている。授業員へのエンゲージメント/マネジメントサーベイも可能で、組織や従業員の状態の可視化にも活用できる。


■特別講演

タカラベルモントの“パーパス経営”
「美しい人生を、かなえよう。」の浸透と実践の軌跡
 ~ 個の力を強くし、組織力を上げ創り出す、これからの100年 ~

  

 

タカラベルモント株式会社 常務取締役

人事教育部長/経営管理室担当/広報室担当

冨谷 明宣氏

1963年三重県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、87年に大和銀行(現りそな)へ入社。2004年タカラベルモント入社、経営管理室配属。11年6月執行役員 就任。経営管理室長。18年2月執行役員 経営管理室長兼人事教育部長。同年6月取締役就任。20年6月より広報室も管掌。22年6月常務取締役就任。経営管理室長としてベトナムでのM&Aや100周年に向けた全社部門横断プロジェクト「MOVE_T」立ち上げ。人事部長として「働き方改革」を推進。人材開発やエンゲージメントの向上などに取り組む。趣味は山登り。

美しい人生を、かなえよう。」これがタカラベルモントのパーパス。創業は1921年。31年に理容椅子の製造を開始し現在、理美容/化粧品/デンタル/メディカル/グローバルの5つの事業部を持つ。1970年に開催された大阪万博に「美しく生きる喜び」、をテーマにしたパビリオン「タカラ・ビューティリオン」を出展したことが世界に飛躍する契機になり、現在120カ国以上との取引実績がある。

2021年10月には創業100周年を迎えた。社内公募で1位となり採用されたロゴマーク(入れましょう)は、人と製品(椅子)が寄り添う姿でパーパスを表現している。

◎社員自ら“策定する”パーパス(志)

当社はパーパス(purpose)=企業の存在目的・存在理由とは、「志」(こころざし)であると考えている。パーパスにより社員の心が動き、行動が変わる。社員一人ひとりが強い思いを持ち、自らの道を歩んでいくことこそパーパス経営の第一歩だ。

一橋大ビジネススクールの名和高司客員教授も「パーパスとは志である」と言っている。志を同じくする仲間と共に明るい未来を目指す、未来の扉を開ける。これこそが当社が次の100年の歩みを進めるために必要なことだ。

当社のパーパス(志)は、経営管理の取り組みとして18年2月から開始した社内プロジェクト「MOVE_T」で社員自らが“策定”した。プロジェクトでは、多様な部門から集ったメンバーが次世代を見据え「大切にすべき価値は何か」を幅広く社内外からヒアリングし、議論を重ねた。なお、TはタカラベルモントのTと“Think & Try”に由来する。

次の100年に向けて、19年に2月に決定したパーパスの全文は以下。

 美しい人生を、かなえよう。

 私たちタカラベルモントは、
 自分らしく生きる人生こそが、
 美しい人生だと考える。

 だからこそ、持てる知恵と技術を進化させ、
 美と健康をつくるプロフェッショナルと共に成長し続ける。
 そして人々が、
 自らの個性に気づき、その魅力を表現し、
 今と未来の健康に向き合って
 じぶんらしく生きることを全力でサポートする。

 いつ、いかなる時でも、
 ひとりひとりが、美しく生きる喜びを感じられるように。
 社会が、美しく生きる幸せで満たされるように。

 

◎社員自ら“伝える”パーパス(志)

このパーパスを社員一人ひとりに届ける活動を策定後から行った。MOVE_Tメンバーが自らの業務の傍ら約2カ月にわたって国内32拠点を回り、ワークショップを開催。参加者は総勢2189名(コロナ禍の直前で幸いにも対面)。実施後にはさまざまな部門、事業所の社員から高い評価や好意的なコメントも得た。

20年の従業員サーベイで、パーパスに「共感できる」と回答した人は94.6%、「自分の仕事に結びつけて実践したい」と回答した人は90.2%(数字は、そう思う/まあそう思うの合計)。会社。パーパス(志)への共感性はあり、実践意向も高いことがわかった。

しかし、21年のアンケートでは残念ながら「パーパスが仕事に結びついていない」人が75.7%という結果となった。「自分なりに解釈し、仕事に結びつけることができていると思う」と回答した人は24.3%に止まった。

◎広報・人事領域の取り組み

解決策として21年から、広報の領域でパーパスの可視化を行った。理容/化粧品/デジタル/メディカル各分野の顧客のインサイトに応える、タカラベルモントのプロフェッショナリズムを「希望の光」をキーワードにビジュアルと映像で描いた(最後にムービー上映)。

  

 

パーパス経営の基礎は、社員とのエンゲージメント構築にある。エンゲージメントが持続的に高い状態にあるように、人事の領域では、人材育成の文化をつくる組織開発を特に管理職研修を重視して行った。

◎次の100年に向けて

次代へ向けてのさらなる動きとして
・ヘアケアシリーズ「SEE/SAW」が「女性応援ブランド賞」を受賞
・椅子の製造過程で生じる廃棄レザーを活かし、新たな価値を創造する自社工場発のプロジェクト「Re:bonis(リボニス)」の開始
・「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」出展参加
などがある。

パーパスムービーを上映し終了。

2022年12月16日(金) オンラインにて開催・配信

source : 文藝春秋 メディア事業局