7月のある猛暑日。都内の公園の遊具で無邪気に遊ぶ少女に、笑顔で手を振る初老の男性の姿が。周囲の目には、祖父が孫と公園に遊びに来たように映る。

　ところが男性は、少女の母親に軽やかな口調でこんなアドバイスを送っていた。

「とにかく脚色はOKだから。演出も多少は必要だよ」

　これは名門小学校、慶応義塾幼稚舎お受験のための、生々しい“闇指導”のワンシーンである――。

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　慶応幼稚舎といえば、小学校受験のヒエラルキーで最高位にある共学の難関校。志願者数約1700人に対して、募集人数は144人（前年度実績）と、倍率が10倍を超える狭き門である。

「画家の岡本太郎やタレントの石原良純、元テニス選手の松岡修造らを輩出し、嵐の櫻井翔もOBです。著名人が子息を通わせることでも有名ですが、試験内容が独特で、親の経歴だけでは合格できません」（教育ジャーナリスト）

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