「私は真実が知りたい」。赤木雅子さんは夫が遺した“赤木ファイル”の全面開示を、国に求めてきた。全国の人々にこの問題を知ってほしい――そんな思いで各地を行脚し、行く先々で地元紙が熱心に報じてくれた。そして迎えた6月22日、国側からの回答は……。

(相澤冬樹 大阪日日新聞記者)

「夫のことって、そんなに知られてないんですね……」

 赤木雅子さん(50)がポツリと漏らした。夫とは財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(享年54)。森友学園との国有地取引を巡る公文書を上司に改ざんさせられ命を絶った。

 その真相を知るため雅子さんは国などを相手に裁判を起こした。国を動かすには世論の支持が欠かせない。裁判は何度もニュースになったから多くの方に伝わっていると期待していた。

 ところが先日、ある地方を訪れた際、たまたま出会った同年配の女性は、赤木さん夫婦や裁判のことを何も知らなかった。こんなに記事にしてもらっているのに……それで冒頭の言葉となった。これに私は答えた。

「記事にしたのはほとんどが朝日などの全国紙ですけど、全国紙というのは地方では東京や大阪ほど読まれていないんですよ。それぞれ地元の新聞が大きなシェアを持って世論に影響力があります。ネットでニュースを見ない方なら、地方紙が取り上げないと知る機会が少ないでしょうね」

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source : 週刊文春 2021年7月1日号