昨日は、7月の人事異動の内示日でした。小社の人間は、人事話が大好き。皆どこか浮き足立ち、あちらこちらで立ち話。そのうち集まった情報を集約して、リストが出来上がるなど、雑誌社らしい“編集力”が発揮されます。

 浮き足立つといえば、「週刊文春」では伝説となっている”事件”があります。十数年前の内示の日、ある特集班デスクが、プラン会議で班員をこう引き締めました。

「今日はこれから人事異動の内示があるが、決して浮き足立つことのないように」

 このデスクも、異動の内示を受け、その夜、したたかに痛飲。店を出た直後、階段から足を滑らせ、頭がい骨骨折の大ケガを負ったのです。まさに、人事で浮き足立ってはならないということを身をもって、部員に示したのです(!?)。

 このデスクが、後の「週刊文春」編集長で現・週刊文春編集局長の新谷です。新谷は、今回の人事で、月刊「文藝春秋」編集長に就任することになりました。先ほど、会社にいましたので、昨日は浮き足立つことはなかったようです。

 前置きが長くなりましたが、内示の日はどこか寂しさが漂います。今回は7人が他部署に移ります。長い人は5年、編集部でがんばってくれました。特集班からは3人の記者が異動。5年在籍が1人、4年が2人。いずれも得意分野を持ち、特派記者からの信頼の厚い記者で、編集部にとって戦力ダウンは否めません。ただ、彼らも小誌にやってきた時は、借りてきた猫のようで、「あいつは大丈夫か」と心配されていた時期もありました。

 それが、現場で揉まれ、仲間の記者と切磋琢磨するうちに、変わってきます。まず、顔つきが変わります。以前は、他人の判断を仰がなければ動けなかったのに、自分の判断で動けるようになります。

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source : 週刊文春