盛者必衰はプロ野球の世界の常。そのことをまざまざと見せつけたのが東京五輪だった。

 開幕のほんの2、3カ月前までは日本の投手陣の柱は巨人・菅野智之投手(31)とメジャー帰りの楽天・田中将大投手(32)のはずだった。しかし直前になってコンディション不良で菅野が代表を辞退。また田中も状態が上がらないままに、ノックアウトステージ初戦の米国戦に先発したが、4回途中で3失点して実質KO降板となってしまった。

 代わって金メダルの立役者となったのが先発の柱となったオリックス・山本由伸投手(23)と広島・森下暢仁投手(24)、クローザーとして全試合に登板したルーキーの広島・栗林良吏投手(25)らの若い投手たちだったのである。

五輪決勝の9回、無失点で抑えた栗林

「メジャーの各球団もすでに菅野の獲得や田中の復帰にはさほど魅力を感じていないのが現実で、いまは五輪で活躍した若い投手たちの動向調査に熱心です。ルール的には移籍にはまだまだ時間はかかります。それでもスカウトはその間に、何とか周辺の関係者にコネクションをつけようと早々に動き出しています」(スポーツ紙メジャー担当記者)

 中でも最注目は五輪の右投手部門でベストナインに選ばれた山本である。

「4回くらいに球数を確認して、このペースなら完封あるな、と思いました」

 こう振り返ったのは8月27日のソフトバンク戦の試合後だった。

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source : 週刊文春 2021年9月9日号