コロナ禍でもコンビニ業界で唯一売上を伸ばしている、北海道発の「セコマ」。“脱成長時代”の経営モデルとして注目されている同社の戦略に迫った前回は多くの反響を呼んだ。なぜ強いのか。最前線の“現場”を徹底取材。

 

(いとうひでのり 1975年生まれ。東京大学文学部卒。1998年文藝春秋入社。「Number」「文藝春秋」「週刊文春」編集部などを経て、2019年フリーに。)

「色味がよくないなあ。このホタテじゃ、北海道の人は納得しないよ」

 用意された「てまり寿司」のサンプルを見た丸谷智保会長(66)の一言に場の空気が引き締まった。

丸谷会長

 この日、本社の大会議室では、1カ月に2回の「商品決裁」が行われていた。端的に言えば、新商品を丸谷が片端から試食して「GO」か「ダメ」か、ジャッジを下していくのである。

 顧客満足度指数調査で、セブン・イレブンをも凌駕する北海道ローカルのコンビニチェーン「セコマ」の強さの秘密を探る上で、その「商品開発力」は見逃せないポイントだ。前回書いた通り、そもそも私がセコマに興味を持ったきっかけは、東京から札幌に移住して、何気なく食べた540円の「カツ丼」の完成度に衝撃を受けたからだ。

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source : 週刊文春 2021年9月16日号