上皇后美智子さまと同じ雙葉学園出身で、『雅子さま論争』(洋泉社新書y)の共著者のジャーナリスト・白河桃子氏。女性の働き方・ライフキャリアを研究する彼女は、眞子さんの“決断”をどう見たのか。
結婚会見で驚いたのは、眞子さんのお話の“長さ”でした。皇族の女性が、あそこまで長い時間、自分の言葉で意見をハッキリと述べられたのは、初めてのことではないでしょうか。
さらに「宮内庁の手が入っていないのではないか」と思うほど、率直な内容だったのも印象的でした。
かつて島津貴子さんが、20歳の誕生日会見で出た、「お好きな男性のタイプは?」という質問に対し、「私が選んだ人を見てください」とズバリ切り返したことがありました。そのような一言はあっても、お膳立てされたものではない言葉を、長く話すことは滅多にない。眞子さん自身、家を出て、「もう皇族ではない」との気持ちで臨まれたからなのかもしれません。
今回、海外メディアが注目していたポイントの一つが、「なぜ結婚するとロイヤルファミリーの一員ではなくなるのか」ということでした。結婚すれば女性は、別の家に入る――。これは、日本の家制度そのものです。
各国の男女格差を数値化したジェンダーギャップ指数を見ると、日本は156カ国中で何と120位です。長年、皇族の女性たちも、このジェンダーの壁に悩まされてきました。
美智子さまは、初の民間からのお妃でした。外から来た“嫁”として、国民からも、そして皇族の中からも、一つ一つの行動を厳しく見られてきました。雅子さまはハーバード大学や東京大学を経て、外交官に就職するなど、華々しいキャリアを持つ女性でした。しかし皇室という最も古く男系中心の“家”に入った瞬間に、彼女も、跡取りを授かることが責務となり、その重圧に苦しみました。
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source : 週刊文春 2021年11月18日号