10月の結婚会見を振り返り、「もったいなかった」と語るのは、『声に出して読みたい日本語』(草思社)などの著書がある教育学者・齋藤孝氏(61)である。
先日の会見では、秋篠宮さまが従前より「多くの人が納得し、喜んでくれる状況」とおっしゃっていたように、「国民の納得」を得られるかどうかが重要なテーマでした。国民の間にも、会見を見れば、もしかしたら納得できるのではないか、という期待感がありました。
しかし、残念ながらそうはならなかった。あの会見を見た後、果たしてどれぐらいの国民が「結婚おめでとうございます!」とお二人を祝福する気持ちになれたのか疑問が残ります。
その理由は明快です。あの会見が国民の間から出ている声の一部を「誹謗中傷」「誤った情報」「謂れのない物語」などと強い言葉で断罪する一方で、質疑応答は認めない、という対立的な図式をとったからです。
お気持ちの「読み上げ」という一方的な形をとられたうえに、ご自分たちの主張だけはおっしゃってその場を立ち去り、あとは質問への回答をペーパーで置いていく、というのもいかにも反感を招く方法でした。もちろん、眞子さんの複雑性PTSDという問題があったと思いますが、どうしても喧嘩腰のような印象が否めません。眞子さんと小室さんにそんな意図はなかったのかもしれませんが、結果的には、国民への敵対心を見せつけられた、という感があります。
皇室の品位を保つためにも、一つ一つの事実関係に、細かく反駁するような形はとられないほうがよかった。特に眞子さんは、「婚約報道以降、圭さんが独断で動いたことはありません」、「圭さんのお母様の元婚約者の方への対応は、私がお願いした方向で進めていただきました」と小室家の問題に、内親王としてご自身が関与してきたことを強調されました。もっと距離感を持って話されたほうがよかったと思います。
会見に臨む基本的なスタンスとして望ましかったのは、「自分たちの主張を通すぞ。疑問にすべて反論するぞ」ではなく、「自分たちの思いを認めてほしい。許してほしい」という“お願い”のスタンスです。
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source : 週刊文春 2021年11月18日号