小誌が報じた“闇営業”と朝日記者との不倫で、早々に更迭された経済安保法案のキーマン。岸田政権の目玉法案制定過程への問題も指摘される中で、彼には特定企業の女性を、職場に招いていたという新疑惑が浮上した。
首相官邸の裏手に、茶色いガラス張りの9階建てのビルが聳える。築50年のやや古めかしい建物の入口には、「関係者以外立ち入り禁止」の文言。このビルの3階に、NSS幹部の部屋がある。NSSとは外交・安全保障政策を担当する国家安全保障会議の事務局である。霞が関の中でもとりわけセキュリティが厳しく、入室は指紋認証で管理。携帯電話やスマートウォッチの持ち込みも禁止され、入口のロッカーに預けなければならない。
エレベーターを降り指紋認証の扉を開けると、秘書が机を並べ、各々仕える幹部の部屋が背後に控える。
一番右端の幹部の部屋を一人で訪れたのは、40代半ばのショートヘアの女性。20畳ほどの執務室には、3人掛けのゆったりとしたソファセットが置かれている。そこで、幹部と女性はしばし2人きりの時間を過ごしたのだった――。
小誌は先週号で、岸田文雄政権の重要政策・経済安保法案の「責任者」である、経済安保法制準備室長・藤井敏彦内閣審議官(57)の“闇営業”と、朝日新聞の記者との不倫疑惑を報じた。
藤井氏は経済学者の中谷巌氏が主宰するビジネススクール・不識塾に、9年にわたり講師役の“師範”として参加。生徒は一部上場企業の執行役員や部長などの幹部候補で、年間の受講料は550万円と超高額だ。それゆえ師範には通常1回あたり5万円が支払われる。師範として全て参加した場合、9年間の報酬は、1100万円は下らないはずだが、藤井氏は役所に兼業届を出していなかった。
また藤井氏は塾の前夜、女性記者の自宅にお泊まりもしている。朝日は経済安保について度々スクープを飛ばしているが、その記者も過去に経済安保について執筆。2人は取材をする側とされる側という仲だった。
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source : 週刊文春 2022年2月24日号