2月15日の午前10時半。大阪・梅田の老舗デパートを歩く女性。地下1階のスイーツ売り場で足を止め、視線を注いだのはショーケースのフルーツタルトだ。
女性は一際目を引くイチゴのタルトを指差すと、誕生日用のろうそくも一緒にリクエストした。
同日昼、大阪市内のフレンチレストランに現れたのは漫才コンビ・テンダラーの浜本広晃(48)である。席に通された浜本は人待ち顔で窓の外を眺めていた。
午後0時半、隣にやってきたのは件の女性。浜本が目を細めると、女性もまた破顔する。関西屈指のグランメゾンでのランチは約2時間。店を出た2人は、互いの指を絡ませた“恋人つなぎ”で身を寄せ合い歩き出した。
この日、48回目の誕生日を迎えた浜本がともに過ごしたこの女性、妻ではない――。
1994年、大阪のショーパブで働いていた浜本が同僚の白川悟実(51)を誘い、「$10」(のちテンダラーに改名)を結成した。
「浜本の、キレのある動きと豊かな表情から繰り出されるボケと、白川の絶妙なタイミングでのツッコミ。その応酬が生み出すスピード感のある漫才が特徴です」(お笑いライター)
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source : 週刊文春 2022年3月10日号