季節は春。後輩社員から花束を渡され涙――今も昔も変わらない「定年退職」の光景だが、感傷に浸ってばかりもいられない。早めに手を打つべき“手続き”が待ち受けている。

感傷にふけってばかりはいられない

 現状、リタイヤは「65歳」が一般的だ。

「企業の76%が65歳までの継続雇用制度を導入。利用者は令和元年6月から1年間で86%。14%が再雇用を選ばず退職しました」(厚労省担当記者)

 つまり、60歳で定年を迎える人の多くが、勤め上げた企業に残り、5年間働く道を選んでいるのだ。

【年金】60歳からだと一生減額

 65歳で“年金生活”に入る場合、「老齢基礎年金」を受け取れる。いわゆる国民年金だ。満額は月6万5000円。会社員や公務員だった人は、加えて「老齢厚生年金」が貰える。標準的な夫婦の年金の合計は、月額約22万円だ。

 年金は60歳からの繰上げ受給も可能だ。年金事務所に「老齢厚生年金・老齢基礎年金支給繰上げ請求書」を提出し、手続きをすることになる。ただし、65歳からと比べ一生減額されるなどの注意点も。減額幅は1カ月毎に0.5%。60歳まで繰り上げた場合は30%減になる。

 今年4月から減額率は0.4%に緩和されるが、これは1962年4月2日以降生まれの人が対象だ。

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source : 週刊文春 2022年3月24日号