「全て吹っ飛んだね」
3月上旬、ロシアのウクライナ侵攻について、こう苛立ちを口にした安倍晋三元首相。それもそのはず、あれだけプーチンに……。
「拉致問題解決や憲法改正のハードルが高い中、当時の安倍首相が長期政権のレガシーにしようとしていたのが、北方領土問題の解決でした」(政治部デスク)
16年12月、プーチンが安倍氏の地元・山口県長門市を訪れた「長門会談」。平和条約締結に向け、共同経済活動など「新しいアプローチ」下の交渉で合意した。だが、交渉に携わった元外務省幹部はこう嘆く。
「プーチンが領土に触れることはなく、カネさえ得られればよかった。だから共同経済活動を持ち出したことに拍手していました。私たちが懸念を示しても、安倍氏は『プーチンはやるから』と言うだけでした」
ここから安倍氏の“接待”は加速していく。
例えば、遅刻魔で知られるプーチンへの対応だ。長門会談では約2時間40分遅刻し、ドイツのメルケル首相(当時)を4時間待たせたこともあるプーチン。17年4月に行われたモスクワでの日ロ首脳会談も約30分遅刻していたが、安倍氏は怒るどころか、
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2022年3月31日号